北アルプス全縦走(新穂高温泉~親不知)まとめ

コース・距離・行動時間をまとめて振り返る

【1日目】

新穂高温泉駅→中尾高原口→雷鳥岩→笠ヶ岳→抜戸岳→秩父平→大ノマ乗越→弓折岳→双六小屋→双六岳→三俣蓮華岳→三俣山荘
移動距離:約26km
行動時間:約9時間20分(5時50分~15時10分)
コースタイム:18時間25分=17時間45分 + 40分(新穂高温泉駅→中尾高原口のロード)
短縮率:50.7%
天気:晴れ

【2日目】

三俣山荘→鷲羽岳→水晶小屋→真砂岳→野口五郎岳→三ツ岳→烏帽子小屋→烏帽子岳→南沢岳→不動岳→船窪岳→船窪小屋(テント場)
移動距離:約20km
行動時間:約9時間10分(6時20分~15時30分)
コースタイム:15時間15分
短縮率:60.1%
天気:晴れ

【3日目】

船窪小屋→針ノ木谷出合→針ノ木峠→針ノ木岳→スバリ岳→赤沢岳→鳴沢岳→岩小屋沢岳→爺ヶ岳→冷池山荘
移動距離:約18.5km
行動時間:約9時間40分(5時20分~15時00分)
コースタイム:15時間15分
短縮率:63.4%
天気:晴れ
(※ロスト含む)

【4日目】

冷池山荘→布引山→鹿島槍ヶ岳→八峰キレット→キレット小屋→五龍岳→唐松岳→不帰キレット→鑓ヶ岳→白馬岳頂上宿舎
移動距離:約19km
行動時間:約10時間40分(4時10分~14時50分)
コースタイム:18時間25分
天気:晴れ曇り時々ガス。風強い。
短縮率:57.9%

【5日目】

白馬岳頂上宿舎→白馬岳→雪倉岳→朝日岳→黒岩山→サワガニ山→白鳥山→坂田峠→親不知観光ホテル
移動距離:約37km
行動時間:約12時間20分(5時20分~17時40分)
コースタイム:22時間50分
天気:ガス、風、大雨、のち晴れ。
短縮率:54.0%

【トータル】

移動距離:120.5km
行動時間:51時間10分
コースタイム:90時間10分
短縮率:56.7%

各日でのコースタイム短縮率に変動はあるものの、トータルでは56.7%と当初計画で立てた55%という数値に近い値となりました。
なお、行動時間には山荘での野営、宿泊している時間は除き、途中の休憩、ロスト時間は含まれています。
参考として私はトレイルランナーであり、奥多摩、奥秩父のような標高1000m前後で、荷物が3~5kg、行動時間が8時間以内程度であればCT短縮率40%~45%で走ることの出来る脚力だと思っています。
日本山岳耐久レース(距離71.5km累積標高4582m)は43%程度(約11時間30分)で完走しています。

そういった自分の走力を把握し、北アルプスという初めて訪れる場所、難所、荷物が普段より重い7kg前後であることなどを考慮した上で計画した数値が短縮率55%です。
また、一日の中での行動時間を10時間程度に収めることに留意していました。ナイトトレイルにならないように、山小屋の推奨する到達時間に間に合うように。
仮にもう一度このコースを走り、より早く日本海に到達する事を目標にするということになれば、今の考えでは朝の出発時間を早くすることでしょうか。
やはり、夕暮れ以降にも行動し続けるという考えには至りません。

持って行った食料


食料5日分+非常食です(晩飯、昼飯は山小屋に頼る前提)。
・アルファ米×2袋。
 内2袋は事前に開封してスプーンと除湿剤を取り出しておいた(少しでもゴミ、荷物を減らすため)。
・素焼きアーモンドに塩をまぶせたものを100g程度。
・大豆は初導入。味はうす塩味でした。
・疲労回復用にムサシのNIを5袋。
・電解質の粉1袋(これはもう少しあれば良かった)。
・パワージェル2袋(非常食)。
・クリフバー2袋。

持ち物一覧

種類持ち物メーカー商品名重量備考
防水ジャケットモンベルトレントフライヤー270
防水パンツモンベルバーサライトパンツ93
ミッドレイヤーパタゴニアキャプリーン4190
ミッドレイヤーファイントラックドラウトセンサーパンツ188
ベースレイヤー速乾T-
ベースレイヤーナイキ速乾ノースリーブ100着替え用
ベースレイヤーパタゴニアキャプリーン1120着替え用
短パンユニクロ撥水素材-
帽子モンベルサンバイザー40
帽子モンベルゴアテックス製50頭の日焼け予防にも
手袋モンベルウィンドストッパートレッキングミトン43
ネックウォーマーモンベルシャミース ネックゲーター30
靴下itoi和紙ソックス30
靴下インジンジトレイルMW マイクロ グラナイト-着替え用
シューズビブラムワラーチ4100
シューズアルトラローンピーク-
サングラス402014富士山マラソン参加賞
食料クリフバークリフバー×2200
食料アルファ米アルファ米×4400
食料アーモンド×塩アーモンド×塩100
食料パワージェル2袋82
飲料水容器プラティパスSOFT BOTTLE 1.0L 35
飲料1500
飲料サプリメントビタミンC、B、ムサシNI40
飲料電解質粉メダリスト20
ギアザックモンベルバランスライト30468
ギアショルダーバックモンベルUL MONOショルダー40
ギア地図穂高、鹿島槍ヶ岳、白馬40山と高原の地図をカラーコピー。
A4ジップロック袋。
ギアモンベル10
ギアファーストエイドキット100絆創膏、テーピング、ポイズンリームーバ
ギアヘッドライトBKアイコン230電池込み
ギア熊鈴モンベル20
ギアタオルタオル×2100
ギアデジタルカメラpentaxOptio WG-2 GPS177
ギアストックBKウルトラディスタンス270
ギア時計カシオG-SHOCK-
ギアGPSロガーMobileActhioni-gotU GT-60037
ギアUSB予備電源110
寝袋モンベルダウンハガー800#5450スタッフバック込み
ツエルトヘリテイジストックシェルター270
シェラフカバーモンベルSOLエスケープライトビビィ156
マット山と道U.L.Pad15s+113
コンタクトレンズ255日分
歯ブラシ10
髭剃り10
メガネZoff50
耳栓5
アイマスク25
マスク5
トイレットペーパー20
ipodシャッフル30
貴重健康保険証5
貴重クレジットカード5
貴重お金5万円以上30宿代、交通費
貴重携帯電話iPhone5c132
合計6614

重量はざっくりです。
身に付けている衣服などの重量は"-"とし、総重量には含めていません。
あくまでザックの重量。

ちょうど出発の4日前くらいにAmazonでストックシェルターを注文。
届いたその日に近所の公園で試し張り。
さらに2日前くらいにアートスポーツで山と道のU.L.Pad15とモンベルの枕を購入。
いつも通りバタバタ。
この中で使わなかったのはサンバイザー、和紙ソックスくらいか。
そのほとんどがちゃんと機能して使えていた感じ。
我ながら無駄なものはなかったと感心。が、ちょっと足りないものがあった(下記反省点を参照)。

【ストック】

ストックはブラックダイヤモンドのウルトラディスタンス。
こいつには本当にお世話になったと思う。
道中の登り下りはもちろん、夜はストックシェルターの支柱として。
アルミ製のディスタンスに比べ、カーボン製で軽いが強度が弱い。
レースなどの大事な場面で使っていますが、今のところ折れてないです。

【シューズ】

シューズはアルトラのローンピークかオリンパスで悩みました。
決め手となったのはテクニカルな部分に対しての着地感。
オリンパスは分厚く衝撃を吸収してくれる半面、岩場で狭いスペース、それも斜めになっているような部分に着地したときに、その地面の感覚を掴みにくいのではと考えました。
それでローンピークを採用。

【ザックとポシェット】

今回使用したザックはモンベルのバランスライト30という商品。
たぶん、これを北アルプスの縦走で使う人はいないと思います。
なぜなら構造がシンプルすぎるから。
ウエストハーネスの収納はもちろん、サイドポケットもなし。
あるのはストックを取り付ける部分くらい。

お金があればモンベル バーサライトパック30とかmacpacのアンプレース30あたりで行きたかったのですが(^^;)
まあ、バランスライト30は帰宅ランで背負いなれていたし、岩場などで引っかかる部分も少ないから良いかと思い、これでいきました。
とはいえ、ザックを下ろさないで荷物を出し入れしたい・・・ということで導入したのはモンベルのポシェット「UL MONOショルダー」。
値段も1500円程度と安価。そして軽い。ペラペラです。軽い雨なら弾くようですが、5日目の大雨では中が濡れてしまいました。
こいつは持っていって正解。中には携帯電話、デジカメ、タオル、地図、コンパス、行動食などを入れていました。
不注意だったのは、ザックの感覚でポシェットを下ろす際、地面にポイっと投げてしまったこと。
ペラペラなのでその衝撃は中の荷物に直接いきます。
結果、デジカメ、携帯電話の画面にヒビが・・・・。
まあテント場に荷物を置いたあとのセカンドバックとしても活躍したし、買って正解でした。

山荘情報

2016年8月23日時点における山荘の各料金、情報を以下にまとめました。

項目 三俣山荘 船窪小屋 冷池山荘 頂上宿舎 備考
1泊3食(夕・朝・弁当)10600円10200円10400円10900円
1泊2食(夕・朝)9500円9500円9500円9800円
1泊1食(朝)7100円7500円-8200円
1泊1食(夕)7900円8500円8600円8700円
素泊5500円6500円6300円6800円
昼弁当1100円700円900円-船窪:おにぎり2個
朝食(宿泊者)1600円1000円--
夕食(宿泊者)2400円2000円2300円-
朝食(テント者)1800円1000円-2000円
夕食(テント者)2600円2000円2300円2500円
朝夕食(テント者)4400円3000円3200円4200円
テント設営料1000円500円700円1000円頂上宿舎:水・トイレ使用を含む)
テント張数70張10張40張100張
無料100円/500ml150円/1L船窪:水場あり
冷池:宿泊者は1L無料
頂上宿舎:宿泊者は無料
収容人数80人50人250人416人

どこの山荘も似通った料金設定でした。
素泊まり6000円前後、夕食2000円以上、朝食1000円以上。幕営料500円~1000円。
あとは水が1リットルで150円程度。この水というのはペットボトルの水ではなくて、山荘が雨水や湧水をろ過して管理しているものです。
(どこかの山荘で購入した雨水はちょっと臭いがした(^^;))
あとペットボトル500mlは軒並み400~500円。ミネラルウォーターだと350円程度。
カレー、牛丼などは1000円前後、カップラーメンが400~500円といったところです。
お湯を売っている所も多かったです。

お金

今回の旅で使ったお金とその内容をまとめました。

覚えている限り書き出しました。
8/10のコンビニでの内容がちょっと怪しいです。
あとは、途中途中の山荘で購入した水。1L150円くらいを数回。
それら考慮してもトータルで4万9000円くらいとなりました。
当初は全て山荘泊を考えていましたが、4日目までは天気良くストックシェルターでテン泊出来たこともあり、節約できた印象。
あと、水以外の飲料が高価であったため節約。
水以外で購入したのはポカリ1本、コカコーラ1缶くらいだと思います。
ただ、水だけだと味気なかったので、電解質系の粉とかあれば良かったです。

反省点

・日焼け対策を怠ったこと(旅を終えて4日経過してますが、顔、両腕、方、首筋から皮がめくれてポロポロしている状態)。
・ストックシェルターのペグが2本だけだったこと。4本あれば良かった。
・計画はもっと早く。行きのバスで窮屈な思いをした。早く計画していれば3列シートのバスも予約出来ただろうに。
・5日目の食料の少なさ。最後の栂海山荘、白鳥小屋が無人であったため、スタートの白馬岳頂上宿舎から補給無しで親知らずまで進んだ。頂上宿舎でもう少し補給するべきだった。
・(上にも書いているが)電解質系の粉をもう少し持っていけばよかった。山小屋でポカリスエットなど売っているが軒並み500円程度と簡単に手を出せない。
 そこで1リットル150円程度の水を購入することになったが、水だけでは失った汗をリカバリーするには至らない。
・行動計画の際に、コースタイムを縮めやすいところとそうでない箇所を考慮していなかった。また休憩時間も。
 岩場や梯子、キレットなどは縮めにくい部分。そうした部分も考慮して計画したい。
・スーパーの袋があれば良かったかも。ザックは防水性のあるモンベル バランスライト30でしたが、それでも5日目の大雨の時には中の荷物が少し濡れてしまっていました。
 濡れてほしくない荷物などはスーパーの袋に入れておけば良かったかも。
 ちゃんとした防水性のあるスタッフザックの中身は濡れていなかったので、これは正解。