北アルプス全縦走(新穂高温泉~親不知)2日目

2日目行程

三俣山荘→鷲羽岳→水晶小屋→真砂岳→野口五郎岳→三ツ岳→烏帽子小屋→烏帽子岳→南沢岳→不動岳→船窪岳→船窪小屋(テント場)
移動距離:約20km
行動時間:約9時間10分(6時20分~15時30分)
コースタイム:15時間15分
短縮率:60.1%
天気:晴れ

ロストはないものの2番目に悪いCT短縮率。この日は暑くバテた印象。

出発(三俣山荘)


おはようございます。本日は2016年8月12日。
今朝は4時起きの予定でしたが、時刻は既に5時。あたりは明るくなっています。
急いで撤収。
途中、何度か起きてしまったものの、合計で8時間ほどは寝ていた計算。
そのおかげか、昨日心配していた風邪は良くなっているようです。
昨晩は途中から寒くなり、モンベルのシュラフ=ダウンハガー#5を使用しました。
最初はシュラフカバーだけでいけるだろうと思っていて、念のために持参したシュラフでしたが、持ってきて大正解でした。


三俣山荘の外見。
水を補給。
ここの水は有り難いことに無料。
この先の小屋ではどこも水は有料でした。
ついでにアルファ米にも水を入れて仕込んでおきます。冷たい水だと60分で戻るらしい。


さて、2日目、出発するか!
時刻は6時過ぎ、予定より1時間以上遅れですが、この日は割と時間に余裕のある日なので気にしないでいきます。
まずは百名山、鷲羽岳!

鷲羽岳


尾根に出て・・・


6時54分。
あっという間に鷲羽岳に到着。2924m。


今回の旅で2つ目の百名山ゲットです。
なんかロゲイニングしている気分(笑)


流石は百名山、景色が良いですね~

鷲羽岳→水晶小屋


もっと景色をのんびり楽しみたい一方、目的地まで少しでも早く行かなければという気持ちも。



この辺りだったか、登っている時に上からトレイルランナー風の集団が降りてきます。
その中に見覚えのある顔。
なんと、ハセツネ安全走行会の先輩であるイノウエさんでした。
こんなところで偶然出会うとは(笑)


水晶小屋


7時50分。
水晶小屋に到着。
ここは事前の調査で混雑する小屋と分かっていたところ。確かに小さくて混雑しそう。


さて、今朝仕込んでおいたアルファ米を食べてみることにします。
んんん・・!いけるやん!
優しい塩加減も丁度良い。水でも全然問題ないですね。

野口五郎岳


次に目指すは野口五郎岳。
歌手の野口五郎との関連性が気になります。
しかし、尾根歩きは気持ちいいなー!
ちなみに前日ノースリーブで行動していた為、早くも両肩が日焼けで痛みました。
山の上は日焼けしやすい?


野口五郎岳への登り、ラストで小さい巻き道に入ってしまったようで、頂上横の別ピークに来てしまいました。


別ピークの道標。
荷物を置いて、本当のピークへ。


きた、これが野口五郎・・・


9時34分。
野口五郎岳です。標高2924m。
水晶小屋での休憩もあり、予定より遅れてきました。
どうやら黒部五郎岳と野口五郎岳が「先」にあって、歌手の野口五郎がその名を使用したみたいです。
そして野口五郎岳の由来は、その昔、野口集落から見上げた山が岩でゴロゴロしていたからだとか・・。

野口五郎小屋


9時52分。
野口五郎岳から降りてすぐに野口五郎小屋に到着。


この近辺は裏銀座縦走コースと言われているようです。
ここもなぜ銀座なのか気になりますね~。


その先で「展望コース」と「お花畑コース」の分岐がありました。
数分悩んだ挙句、お花畑コースへ行くことに。


・・・騙された!花なんて一つも咲いてねえじゃねえかこんちくしょーめが!
季節が違ったのでしょうか。


さらに尾根歩き。

烏帽子小屋


11時20分。
烏帽子小屋に到着。
時間はまだ昼前でしたが、お腹が空きました。
ちょっと奮発してカレーを注文。1000円。
出てきたのはレトルトカレー。高いけど、食べられるだけ有り難いってことだよなあ。

烏帽子岳・南沢岳・不動岳


この区間は暑くてバテタ記憶。


登りもきつく。ただテクニカルさは無し。


斜めの石。


13時21分。
不動岳に到着。2172m。
疲れたー・・。
2000m、2500m級の山ってのは登り下りが長いんですよね。

船窪岳へ


かっこいい岩場。



14時25分。
不動岳からも登る登る・・。かなりバテテきました。
そして船窪岳第2ピークに到着。標高2459m。疲れた・・・。


その先で危険個所現る!
怖かった~。。通過したところでハイカーさん。
「さっきのところ怖かったですね~」なんて話すと「もう一か所あるみたいですよ(^^)」なんて返答が。
OMG!


本当でした。
ここはほんとあり得ないと思いました。
いや、この道で合っているのか!!?
しかし、先にハイカーが通過しているのも見えていたし。。
流石に一旦止まってストックを仕舞い、遺書は書かないまでも、気持改め慎重に通過。
ふぅ・・・・。
ここは地図には危険マークがないポイントです。
危険マークのある八峰キレット、不帰キレットはもっと危ない????

船窪岳第1ピークに到着。
ここで先ほど見えていたハイカー集団に追い付く。
先ほどのポイントのことなど会話。
さっきの所の方が不帰キレットなんかより怖いという話を聞いて安心!
チバ山山岳会だったか、そんな名前の方たちでした。

船窪小屋

船窪乗越から登る登る・・・・。もうあり得ないくらい登りました。
小屋はすぐ近いと思っていたのに(TT)

ヘロヘロになって先に到着したのは船窪小屋のテント場。
とりあえずストックシェルターを設営。
テント場から下ったところに水場があるというので行くことに。体も洗いたかったし。
が、ここの水場、ロープなど使った先にある危険な水場でした(笑)
けど、水は冷たくて美味しい!
腕、脚を洗い流すとちょっと寒い・・。けどさっぱり!
戻って船窪小屋へ。
小屋までもまーたまた登り・・・。もうお腹いっぱいです。
小屋に向かっている途中で水汲みをしていたハイカーさんに追い抜かされる。
とうとうハイカーさんにまで抜かされるまでに・・。


ようやく船窪小屋に到着。
中に入ると丁度、夕食の準備をしている所でした。
これは夕食頼めないかも・・と思いつつ、とりあえずはテント代500円支払う。
夕食を聞いてみると、元気良い小屋の女性は「ちょっと相談してみますね!」と中へ。
そしてすぐに「宿泊者と同じメニューは出せないけど、簡易メニューなら大丈夫です(^^)」と。
しかも1000円で良いとのこと。
但し、夕食は1回目、2回目が終わった18時頃になるとのこと。
現在16時過ぎ。テント場まで往復するのが億劫だったので、小屋周辺をうろつくことに。
小屋のパトロール隊の方にこの先のルート状況を聞いたり。

ちょっとしていると寒くなってきました。
なんだか吐き気も。これは・・・昨日まではいかなくても同じ感じ?
日中暑くて夜寒いから身体がおかしくなっているのか。
お腹が空っぽなので、発熱も出来ずに寒くなる一方。
外で食事している人の中にタバコを吸う人がいて、その煙が更に気持ち悪くさせる。。
煙の来ない、景色の見える場所へ移動。

すると、「間違っていたらごめんなさい、もしかしてうさかめさんですか?」との声。
見ると、さっき小屋に向かっている途中で抜かされたハイカーさん・・・じゃない!この人、トレイルランナーのシロタさんだ!!
シロタさんとは三浦半島縦断レースの試走会でご一緒して以来。
めちゃ速い人なので抜かされたのも納得(笑)
今回は奥さんとのんびり旅で来ているのだとか。眼鏡もかけてトレイルランナーオーラを消していました(笑)
自分が親不知まで目指しているというと、シロタさんも「俺も学生の頃、40kg背負って上高地からやったよ~。肩が痛くてね・・・」と。
やっぱそういうことをやってきているんだ。てか40kgなんて信じられない。
こないだ参加したボッカ駅伝では20kgを背負いましたが、それでも一杯一杯だったのに。
その倍背負って親不知まで?
それから八峰キレットでの不幸な事故のこと、シロタさんの今年の状況など聞かせてもらい、気付けば18時前。

船窪小屋の夕食


寒かった・・。ようやく食事にありつけます。
出てきた食事は簡易メニューとはいえ、そんなに宿泊者用と変わらないメニュー。いいんですか!?
しかもご飯、お味噌汁お代わり自由!


食べていると小屋の主人と思われるおじいさんがランプをつける。
ランプの小屋とは聞いていたけど、、雰囲気良いなあ。
ご飯、お味噌汁はそれぞれ恥を忍んで3回くらいおかわり。
生きるために、元気つけるために食べないと。。
ここの女性店員さん(店員ってのも変か)、俺のことを名前で呼んでくれる。
「うさかめさん、ご飯、もう少しで準備出来ますからね!」「うさかめさん、お腹一杯になりましたか?」と。
なんか暖かい・・・。
19時頃、食べ終える。名残惜しむかのように小屋を出てキャンプ場へ。
後ろを振り返ると男性店員さんがとびきりの笑顔で見送ってくれていました。


テント場に到着。
ふと隣を見ると、先ほどはなかったツエルトが張られている。
俺と同じようなスタイルの人なのかなあ?
なんて思っていると、すっかり暗くなった山の中から宿主が姿を現してツエルトの中へ。会釈。
するとすぐに中からストーブで調理する音。
自炊か!ストイックだなあ~。なんて思いながら自分も寝る準備。
ご飯を沢山食べたこともあり、体が暑い。しばらくは半袖短パン。

・・・こうやって今、記録を書き残している訳ですが、なんか移動・行動している時よりも、小屋とかでいる時の方が記憶が鮮明なのは何故なんでしょう。
行動時は必死でとにかく先に進むことだけを考えていたからかなぁ。
こうして2日目も無事に終了。
20時頃就寝。