塩の道トレイル旅(小谷村~糸魚川)

塩の道トレイル4日目は小谷村~糸魚川まで。
約45km(糸魚川着いてからの海水浴場までの道のりも含む)。

梢乃雪 朝ごはん

2015年8月10日
塩の道トレイル旅4日目。予定では本日が最終日。
朝は7時ごろ起床(たぶん)。

キッチンからは手際良く朝ごはんを調理している音が聞こえます。
行っても邪魔になりそうだったので、支度など進めます。


朝食は1階の広間で。
窓を開けると素敵な景色が広がりました。
・・んーー良い朝です。


ちょっと2階も散策。
築150年の古家を利用しているそうで、雰囲気があります。


朝から豪華です。
厚焼きは中に味噌が入っていてとても美味しかったです。
味噌汁が旨い!お米が旨い!

食っている間にもアブらしきが僕を襲ってきます。痛い!
なぜか僕だけ狙われているような・・。なんでしょう、なんか恨みでもあるのでしょうか。

朝食後、準備も終え一息ついていると「コーヒー飲みますか?」と最高の一言。
わかっているなぁ~と感心。
パンナコッタまでついていました。
このコーヒーはぐっさんが煎ったんだとか。美味しかったです。

さて、時刻は10時ちょっと前、そろそろ出ないと糸魚川で野宿になりかねないので、そろそろ出発。

高町越え


ゲストハウス梢乃雪近くの風景。
梢乃雪を出発した後はとりあえず「中土郵便局」を目指しました。
そして中土郵便局から高町峠越えが始まります。
高町峠越えは6kmくらいのトレイル区間です。


今日も暑く、既に汗だく。





トレイルでは人に全く会わなかったので、熊鈴は持参したほうが良いでしょう。


足元に草が多い茂っている区間がありました。
僕は半ズボンの素足で行きましたが、草にやられてちょっと痒くなりました。
ゆっくり歩きの場合にはカーフガードや、長ズボン、タイツなどを履いたほうが良いかもしれません。




道の駅小谷


塩の道トレイルはそのまま北上すると高町峠の次は地蔵峠越えコースへと移りますが、道の駅で補給したかったので、北小谷駅方面へ降りました。
高町峠を越えて下っていくと、ロードに出るので、そちらを下っていきます。
下っている最中、地元の人と挨拶すると、「塩の道はそっちじゃないよ~」と教えてくれます。
「はい、道の駅に寄っていくので、こちらで大丈夫です。」と返答。
ありがたいですね。
線路と小谷道路を越えて西側へ。


道の駅に着きました。
迫力満点の恐竜の像が置いてありました。
この道の駅には温泉施設が併設されており、日帰り入浴が可能なようです。


売店がありました。
ぶっかけうどん350円。
ねぎと天カスはセルフサービス。


塩の道の案内板がありました。
こうして改めて見るとここまで結構来たんだなぁ~と感慨深いものがあります。

天神道越え


さて道の駅で補給もばっちり。
次は天神道越えです。
4日目は距離も長いし、道も険しいです(^^;)
「日本海まで27km」。
あと少しのような、まだまだあるような。
27kmは国道を使っての距離なので、塩の道で峠を越えていくことを考えればやっぱりまだまだか・・。


天神道越えスタートです。
ゆっくり歩いて2時間とあります。
天神道越えは姫川沿いのトレイルを進むコースです。








トレイルを順調に進んでいると、いきなり温泉施設が現れました。
「湯原温泉 猫鼻の湯」という面白い名前の温泉でした。
ちょっと気になるも中には入らず、そのまま次のトレイルへ。


階段を登って国道へ。
トンネルをまたぐトレイルが2度ほどありました。
この区間は蜘蛛の巣が多かったです(--;)


新潟県に入りました!
新潟県に来たのはたぶん人生で初めてなので、ちょっとテンションがあがります。
「ウェルカムウェルカム新潟~♪グッバイグッバイ長野~♪」と謎の歌を口ずさみます。

大綱峠越え


天神道越えを終えると姫川温泉に辿り着きます。
この先は一番の難所「大綱峠越え」が待っているのでここで補給していきたいところですが、これといった補給ポイントもなく・・。
ちなみにこの大綱峠はとても印象に残る峠になりました。辛かったのがその理由(^^;)
他の峠については地図などを見返して名前を書き記しているものの、この大綱峠の名だけはしっかり頭に刻み込まれていました。


売店がありました。
とても暑く、500mlの缶を一気飲み。
さらに500mlペットボトルを追加します。


でかい大仏がありました。


姫川温泉~大綱峠までの間には大綱宿を経由します。
大綱宿は小さな集落といった感じですが、自販機はなかったと思います。
小さい川を渡って、ここから本格的に大綱峠が始まることになります。


このパイプ管の感じは信越五岳トレイルレースを思い出します。
そして急登の前兆でもあるような・・。
松本側から糸魚川に抜ける場合での大綱峠は地図からも急登を越えることがわかります。
絶対きついんだろうなぁ、行きたくないなぁ、なんて思いながらも、進むしかなく。


「牧坂」
一瞬「激坂」に見えてびっくりしました。
どれだけ恐れているんだという話ですね(^^;)



釣りがね橋を渡ります。



沢が現れました。


写真では伝わりにくいですが、その先は沢を登っていくながーーい急登でした(笑)
そして暑い。
しかし、それらはまぁ分かっていたし、そんなに苦ではありません。
何がいやって、「虫」!!!!!
アブかハエが絶えずまとわりついてきます。
耳、目、頭、首を狙って、時たま刺してきます。
スピードを上げているとちょっとマシになりますが、休憩しようと止まろうもんなら一気に5匹くらい寄ってきます(^^;)

暑い、キツイ、止まれないでかなり精神的にやられました。
沢の水は冷たく、手ですくって顔を洗って一瞬、爽快になるも、そんな隙を逃さずアブがやってきます。
後で分かったのですが、アブは血を吸うために噛むらしいですね。
しかも噛むのは雌だけ。雄は樹液を飲むのだとか。


1時間以上登り続けて、ようやく大綱峠。
もう降参です。
あまりにも虫が多くて塩の道を外れてロードを進むかと考え始めました。

角間池、白池


角間池です。
魚はいないかな?
止まると虫が寄ってくるので釣りなんかしてられないです。


大綱峠からは基本下りでした。
角間池の次に白池がありました。
東屋とトイレがあったのでやっと腰を下ろして休憩。
ちょっとでもせせこましいところで止まると虫が寄ってくるので、少しでも開けたスペースへ。
白池はその昔、所有権を巡って新潟県と長野県で争いがあったのだとか。


下っている途中にちょっと視界の開けた場所があり、そこから遠くのほうに海らしきものが見えます。
ちょっとジンワリくる瞬間ですね。

山口関所 - 商店


集落に出ました。
大綱峠越えをようやく制覇しました。
ここは塩の道資料館だそうです。


その先に商店があったので入りました。
喉はカラカラ、お腹はペコペコ。
おばあちゃんが一人で切り盛りしているようです。
ジュースとカップ麺を購入。
公民館を改築した商店らしく、ここにはお湯がないので、わざわざお家まで行っていただきお湯を入れてくれました。

そしてそのおばあちゃんとしばし会話。
昔はおばあちゃんも近辺でスキーを楽しんでいたらしく、板を担いで山を登り滑っていたとか。
地元にはオリンピック選手(?)になった人もおり、その人を含めたグループでジャンプ目的で登山。
そして白池を越える形でジャンプ!
そのオリンピック選手は見事に白池を越えてジャンプ出来たが、後続の仲間達は次々と白池にボチャン、ボチャンと落ちていったとか。
「そんな漫画みたいな話、ホントですかー?」なんていうと「アハハ、本当なのよ~」とかいって、笑っています。
若さの秘訣はいつまでも楽しく人と笑い合うことなのでしょうね。
年寄りの集まりにはこの黒砂糖の「ふ菓子」がいいのよ、なんて言ってふ菓子もいただきました。

このおばあちゃんによると、この地域ではアブのことを「うるる」と呼ぶらしい。
なんでそんな可愛い名前なのかと問うても分からないらしいが、とにかく「うるる」なんだとか。
うーん、うるるだったらなんか我慢できるかも(^^;)
「冬はスキーも出来るし、また寄っていって、次会うときには私は居ないかもしれないけれど」なんて冗談を言われながらお別れ。


幼稚園がありました。


もうここまでくれば後はほとんど平坦な道です。
標高は100mくらい。

中山峠


ゆるやかなロード区間が終わり、根知川を越え、根知小学校、仁王堂と進むと、ここから中山峠が始まります。
緩い峠です。


ドラエモンがいました。



再びトレイルへ。
虫がいやだなぁーと思いつつも、「うるる」だから良いか♪と思える自分がいます。


「旧松本街道 塩の道」と書かれています。




中山峠をあっさり越えて、道は再び田園風景へ。
ちょっと日が暮れ始めてきました。

糸魚川


中山峠を越えた後は美山公園へ向かいます。
そこの入り口付近に塩の道のモニュメントが置かれていました。
「蘇れ人間」


町並みを通り過ぎると、いよいよ海が見えてきました。
病院のバス停に座っているおばあちゃんがこちらを見て「頑張って~風が出てきたね~」と応援してくれます。


ついに塩の道の出発地点に辿り着きました(※今回は逆走のため、出発地点がゴール)。
海を見ながら乾杯しようと近くの自販機で缶コーヒーを購入。ブラック130円。


そしてゴーーーール!!
日本海に辿り着きました。
そこは国道沿いでトラックや車がビュンビュン通り過ぎる殺風景な場所でしたが、そこのガードレールに足をかけて、プシュ!っとビールではなく、缶コーヒーを開けます。
グビ、グビと一気飲み。うまい!
塩の道トレイルMTI(松本TO糸井川)完走です!

時刻は18時をちょっと過ぎたところ。
さて、汗を流したいが、近辺にお風呂はないようです。
一つ隣の姫川駅には日帰り温泉があるようですが、都合の良い電車がなく、走って戻るには遠すぎます。
なんせ20時35分発の糸魚川最終列車に乗らないといけないので、そんなに余裕はありません。
糸魚川の宿泊施設を何件か当たるも全て満室。なにかイベントでもあったのでしょうか。
ルートインに泊まりたかった!

国道沿いを犬の散歩させている人に近くに温泉施設があるかと聞くも、ないとのこと。
犬は完全に僕を警戒して吠えまくっています。
ああ、漫画喫茶のシャワーはどう?と提案を受け、調べるも見当たらず。すみません、ありがとうございました。
結局、塩の道トレイルの出発地点から北東に1.7kmほどにある「糸魚川海水浴場」のシャワーを利用することにしました。


結構、歩きました。
薄暗くなったビーチでは少年二人がフリスビーで遊んでいます。
絡まれないか心配になりながらも、上半身裸になってそのままシャワー!気持ちい!
短パンはユニクロの水着にもなるズボン。
糸魚川駅まで歩いているうちに乾くでしょう。
あ、ポケットの中にipodシャッフルが入ったままでした・・。
糸魚川駅まで歩いているうちに乾くでしょう・・。


ちなみに国道には信号がなく、こんな感じの地下通路を通ってゆきます。


糸魚川駅到着!!
新幹線の切符も購入し、お土産も買って一安心。
時刻は19時45分。まだ時間があるので晩飯を食べに周辺散策。


そして見つけた良さげな店は居酒屋「源兵衛」。
外に出ていた「ブラック焼きそば」に惹かれました。
居酒屋はタバコ臭くて、うるさい人が多いイメージがあるので、あまり好んで入りませんし、信濃大町の一件もあったので、ちょっと不安でしたが中に入ってみました。
電車に乗らないといけなかったので、「20時35分の新幹線に乗りたいんでけど、ブラック焼きそば大丈夫ですか?」と相談すると、快く大丈夫といってくれたので、安心して着席。
しかもカウンターではなく、テーブルを案内してくれました。
うん、この店は大丈夫。そう思える瞬間です。
そして10分ほどしてブラック焼きそば定食が出てきました。
居酒屋らしく小鉢も多く付いて750円はリーズナブル。
味もとても美味しかったです。
URL:http://tabelog.com/niigata/A1503/A150302/15007135/

そして20時35分、定刻通り新幹線は東京へ向けて出発。
車内に自販機がなく、喉がとても渇いていたので、長野駅などで自販機ダッシュを2回しました(^^;)
そしたら車内販売のカートがやってきました。焦らなくても良かったんですね。
しかし、糸魚川から東京までは3時間もかかりません。
とても便利だし良いことなんですが、なんかこの4日間の歩きを一気にゼロにされた気分でちょっと切なくもありました・・。

こうして塩の道トレイルはほぼ予定通りの日程で終了しました。
僕の歩いた道のあとには汗塩だけが残ったとさ・・・・・。
おわり

お金

昼飯(ぶっかけうどん):350円(道の駅小谷)
新幹線(糸魚川→東京 自由席):10480円
飲料:600円くらい