奥多摩・雲取山・三峰縦走旅(雲取山→三峰神社)

雲取山荘~芋ノ木ドッケ


雲取山ヒュッテ。


三峰の文字が出てきました。
あともう10km弱。
しかしこの先で一か所、不安箇所があります。
それは大ダワ~白岩山区間。
山と高原の地図によると「冬季の凍結に注意」とあります。
先ほどのアイスバーンを経験したこともあり、かなり心配・・。
最悪は宿をキャンセルして引き返そう。

問題の区間手前の分岐に来ました。
ここでも「この先、冬季の滑落事故多発区間!」とあります。
その先をみると細い巻き道が見えます。
奥の路面は良く確認してませんが、アイスバーンで細い巻き道、側面は崖ってことになったらいよいよ滑落しかねません。
ここは地図には不明瞭と書かれてはいますが、東の芋ノ木ドッケ山頂を経由するルートを進むことにしました。
(結果、恐らくはこれが正解だった)

芋ノ木ドッケは、この界隈では雲取山に次いで1946mと二番目に高い山らしいのですが、スポットを浴びることなく鎮座する山といった感じらしい。
山頂までは結構な斜度で登ったと思います。
ただ、雪の中に足跡があるので安心して進めました(人が入っているんだという意味で)。


芋ノ木ドッケに難なく到着。
ここから白岩山を目指して下りますが、そちらには足跡が一つもない!
ここから足跡は皆、北東の長沢山方面に続いていました。
んーこの先の下りこそ「不明瞭」と書かれていただけに心配になってきました。


いやはや、確かに不明瞭。
積雪もあって登山道なんて全くわかりません。
アプリ、地図、コンパスを何度も確認しながら進んでいきました。
雪が深くなる箇所もあったので注意。

足跡を見つけた!と思ったら明らかに人間ではないもの。
鹿か?しばらくは鹿の足跡を辿る形で進む(進行方向が同じだった)。
鹿は気分屋なのか、途中までは割と行きたい方向、楽な道を進んでいたものの途中でなぜそっちに?という方に進んだり。
そしてまた合流したり。なんだか鹿に導かれているようで、そうでないような(^^;)


15分ほど下ったでしょうか。
無事、本ルートに戻れました(鹿、ありがとう)。
ここにも芋ノ木ドッケの文字。


下ってきた道は健脚向きだそうです。


逆方向に向かう位置にある看板には「これより先、滑落事故多発区間」とあったので、これで滑落ポイントはうまく迂回出来たようです。
一安心。
イカンイカン。この気の緩みが命取りになる。宿に着くまでは緊張感を持って!と自分に言い聞かせながら進みました。

芋ノ木ドッケ~霧藻ヶ峰


すぐに白岩山に到着。


白岩小屋。人はいない?


展望にて。
ここまで雲取山目指して一生懸命登ったり、滑落に怯えながら進んで、早く三峰神社へ・・!!
という思いでしたが、そもそも山を楽しむために来たのになんだか本末転倒な感じがしてきたので、ちょっとこんなことやってみました。


周辺地図。
「三峰雲取自然散策路 案内図」とあります。


前白岩山。
白岩山の前だからこんな名前を付けられたのでしょうか。
大阪の「西中島南方」って駅名を思い出しましたよ。
ちなみに西中島南方ってのは大人の事情で西中島と南方と合体させた名前だそうですよ。


お清平。


先ほどからお腹が空いてきました。
残る食料は肉じゃがとおにぎり一個。
他はアーモンド少々、梅少々。
緊急時に備えてちょっと我慢してましたが、ここまで来ればもう大丈夫そうです。
なんでもない道の途中で、肉じゃがとおにぎりを食べました。
このセブンイレブンの肉じゃが、最近マイブームです。


霧藻ヶ峰到着。
芋ノ木ドッケを通過した後、アイスバーンは殆どなくなりましたが、積雪の下り。
シャーベット状になっている箇所も多かったです。
スピードが上がらず苦労しました。
ただ、この霧藻ヶ峰を境に積雪が徐々に少なくなり、やっとトレイルラン出来るようになりました。

霧藻ヶ峰~三峰神社


炭焼平だったか、その近辺の建物。


顔が二つ。


フー。もうこれが山からの展望最後か。


鳥居が出てきました。
どうやら三峰神社に到着したようです。


バスはギリギリ最終便の一便手前に乗れる時間でしたが、ここでゆっくりしていくことにしました。


ちなみ厳密にはここは三峰神社ではなく、お参りするにはここから歩いて15分くらいかかるみたいです。

大島屋


まずは腹ごしらえと「大島屋」に入店。
結構繁盛しています。
驚くことに周りはほとんどが普通の格好をした人。
登山客より観光客の方が圧倒的に多かったです。
車でも来れるんですね。
泥のついたこんな汚れた格好では文句言われるか冷たくあしらわれるかもな・・。
(一応、泥は店の外で落としましたよ)
これまでの経験上、こういった繁盛している観光地の売店では接客が冷たいことが多く、身構えの姿勢(^^;)
悲しいかな。

とりあえずカレーうどんを注文。750円だったか。
テーブルに座って待っていると、通りかかった店員のおばちゃんが「あら!その傷どうしたの!?」
と僕の膝を見て言いました。
見ると血が流れています。そういえば下りの途中で枝が刺さって痛かったのを思い出しました。
「もう血は固まってますし、大丈夫ですよ(^^)」と言うと、おばちゃんはそのまま台所へ消えていきました。
あれ、心配してくれている?


しばらくしてカレーうどん到着。
届けてくれたのは先ほどのおばちゃん。


おもむろにポッケから何かを取出し、、ん、消毒ガーゼ!?
そうなんです。僕の傷を見て心配してくれ、忙しいにもかかわらず汚い足に躊躇うこともなく消毒してくれたのです・・(ToT)
「良かった!そんなに傷は深くないようだね!山では破傷風とかもあるし気を付けないとね!」と。
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
先ほどまで山にいて寒かったこともあり鼻水が出てきていましたが、あれ、目からも出るんですね・・。
クソ、腐っていたのは俺の心なのか。人を疑う癖が東京で身についてしまったのか。
そうか、ここは埼玉か!

バスで三峰口駅へ

今晩お世話になるゲストハウス錦、「周辺には売店が何もないので食材はあらかじめ買ってきてください。」
とあったので、お世話になった大島屋で晩飯の食材を購入していくことに。
蕎麦、ごぼうチップス、食べるラー油にんにくの計1500円ほどお買い上げ。

大島屋の外でなんとか焼き(名前忘れた)が売られており、それを売っている老夫婦と思われる方の表情が良かったので、買うことにしました。
1枚120円か。
すみません、1枚ください!と告げると、「1枚50円にするから2枚買ってって(^^)」と思わぬサービス。
閉店時間が近いからでしょうか、それでもなんか嬉しいですこういうの。
2枚購入100円。

バスの時間まではまだ時間がありました。
実は当初、ここからさらに表参道のトレイルを下って大輪までいくプランもあったのですが、雲取山から思いのほか時間がかかってしまい、それを決行するのをやめていました。
いや、やはり下ろうか?そんな思いが頭をよぎりましたが、もし大輪から錦までのロードが危ない道だったら嫌だし(地図でトンネルを確認)、ここは安全にバスに乗ることにしました。

バス乗り場へ行くと、すでに多くの乗客。
席はほぼ満席。しまった、時間があったんだからもっと早く並んでおけば・・・。
仕方なく立つことに。
するとバスの運転手さん、おもむろに立ちだしてバスの後方へ。
何かと思えば、こちらを向いて「お客さん、ここ座れますよ(^^)長いですしドウゾ」と2人席に1人だけ座っているところに座れるよう配慮してくれました。
なんかまた「汚い恰好で!」とか怒られるのかと思いきや、思わぬオモテナシ。
ここでも心ほっこり。


三峰口駅に到着。
バスは急行だったらしく、錦最寄りの「強石」には停まらなかった為、三峰口駅まで来ました。
事前に錦からメールで「三峰口駅からの最終バスに乗れなかったら迎えに行きますよ」と言われていたので、それに甘えて電話。
「はい、ゲストハウス錦です!」と元気良く電話に出たのはオーナーの立川さん。
5分、6分で迎えに行きます。とかなりのレスポンスの良さで来ていただけることに。

ゲストハウス錦到着


本当に5分ほどで迎えに来ていただき、車でゲストハウス錦へ。
入口から煙突?が飛び出ており、そこから煙がモクモク出ています。
いい雰囲気です。
ちなみに出会いがしらに「トレイルランですか?」と言われました。やはり僕の見た目はトレイルランナーのようです。
短パンがいけないのか?
なんでも立川さんも昔トレイルランをやられており、ハセツネにも出たことがあるのだとか!

立川さんの配慮により「受付はとりあえず大丈夫ですから、まずはシャワーでもどうぞ。冷えるといけないですからね(^^)」と言って頂き、それはありがたいと向かいの風呂場で汗を流しました。


さっぱりした後は晩御飯。
ちょうど同じタイミングで到着していたイナバさん(確か)。彼女は自転車で一人旅している若きチャリダー。
といっても今日は三峰口まで輪行だったとか。
一緒に蕎麦作りましょうってことになりました。
そして完成。もう一人、常連さんもいたので、その方の分も。

食べているうちに人が集まってきました。
もう一人常連さん、お母さんと共に来たという女子高校生。
あとはボルダリング集団や頭にイレズミの入った二人組、こちらは共有スペースには来ませんでしたが(^^;)


共有スペースには掘りごたつがあり、足元を覗くと、なんとそこには直接炭火が。
じんわりと暖まってきます。


白ワインなんかも頂いて、なんだか眠たくなってきました(^^;)


女子高校生親子からはパエリアを頂きました!ウマイ!
話は今日のこと、明日のこと、秩父のこと、他のゲストハウスのことなど。
共通していたのは皆、明日はノープランだってこと笑
旅人ってそんなもんか。
近くに鍾乳洞があるらしいので、とりあえずそこに行くことにしました。
あとは風に身を任せますよ。

その後は湯たんぽを頂いて寝室へ。
早くに寝る人は奥の部屋をどうぞと案内された部屋です。
布団は3つ敷かれていましたが、他の人はまだどこかにいる?ようです。
今朝は早かったのもあり、そそくさと布団に入り眠りにつきました。
フカフカお布団で湯たんぽが暖かい(^^)