第2回上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル参戦記③

A3(52km)~A4(63.5km)

A3~A4は写真がなく、また良く覚えていません(^^;)
そういえばどこかの区間でキャンプ場の脇を通りました。
それがこのA3~A4だったでしょうか。
テントサイトでフリスビーやらBBQを優雅に楽しんでいます。
クソ、なんで俺はこんなことしているんだっ・・!って思う瞬間ですね(笑)
武尊山パートでのダメージは癒えず、この区間も大した走りはできませんでした。

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「A4 オグナほたかスキー場」
累積距離:63.5km
累積タイム:13時間08分
順位:58位
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A4につくとまずはデポバックを受け取りにいきました。
武尊山からの下りパートだったでしょうか、ドロに完全に足が浸かりシューズが沼に取られたりして足はドロドロ。
ここまで頑張ってきたアルトラのローンピーク2.0とドライマックス ライトトレールを脱ぎ、ドロップバックから取り出した「アルトラ オリンパス」に履き替えます。
カップ麺を忍ばせてあったので、お湯をもらえるか聞くとOKとのことだったので、ありがたく頂きました。
2014のUTMFではカップラーメンの直後から大復活したので、今回もそれに賭けます。

エイドに入ったのは19時30分ごろでライトは必要なかったのですが、出るころにはあたりは真っ暗。
このA4よりヘッドライト(ジェントス HW-777H)を装着して出発。

A4(63.5km)~A5(72.5km)


20:57
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「W 赤倉林道分岐(赤倉峠)」
累積距離:72.5km
累積タイム:14時間27分
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ここはなんと無人エイドでした(笑)
あの伝説の大会、八ヶ岳スーパートレイルを彷彿させます。
ウォーターステーションなので、ペットボトルを1本持って行きました。
共にたどり着いた選手と会話して、その方も坐骨神経痛だったことが判明。
背筋を伸ばすストレッチをしていると治りましたよ~とアドバイスいただきました。
しかし、坐骨神経痛の治し方は十人十色のようですね~。困ったものです。


21:38
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「A5 赤倉林道入口」
累積距離:72.5km
累積タイム:14時間27分
順位:57位
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A5は建物ではなく、テントが張られているエイドです。
結局、「カップラーメン、ストック、オリンパス」の効果は薄く、走りは回復しませんでした。
カップ麺はもっと効果あると思っていただけに少しショックです。
どうすればいいんでしょうか。
リタイアの文字が頭をよぎります。
この辺りで気持ちが変わった気がします。
これまではそれなりに順位を気にして走っていたのですが、もうタイムも順位も良いから、しっかり休んで完走目指そうと。
ダンボールが敷かれていたので、そこに横になって少し休みました。

22:06
再出発。相変わらず力が入らないです。

A5(72.5km)~A6(91.8km)

A5を出てすぐ登りのロードが5kmあります。
もちろんほぼ歩き。
けど、オリンパスはロードには良いかもしれません。アスファルトの硬い地面に対してグリングリンとローリングして推進力が生まれている感じがします。
ローリングを利用しつつパワーウォークで進みます。
登りで抜かして、平地と下りで抜かされるいつものパターン。

林道の途中だったでしょうか、電気のついている建物が左手に見えてきました。
それは仮眠所でした。
相変わらずのスピードだったので、こちらも寄りました。
水と飴が提供されていました。
中は畳の部屋になっており、中央に虫除けの煙が炊かれています。

靴を脱いで横になります。
ふと気配を感じ、目をやるとそこには大きな蛾がおり、畳の上でバタバタしており気持ち悪いです。
しかしもう疲れているので、気になりません、いや、気になったのでちょっと離れました。
15分~30分くらい休んだでしょうか、あまり回復せず再出発。


01:12
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「A6 樹恵里前」
累積距離:91.8km
累積タイム:18時間42分
順位:80位
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ここで大きく順位を落としました、23人に抜かされたようです。
こうなるのは分かっていましたが、コース上で何人にも抜かされて行くのは結構萎えるので、仮眠所で回避したというのもあります(^^;)

残り30km弱。
やっと現実的な距離になってきましたが、去年走っているだけに、この先の辛さを考えると全く完走が見えてきません。
このA6でまた仮眠して良くならなかったらもうリタイアだ、そう決めてブルーシートに横になりました。
そしたら救護の人が声をかけてくれ、脱水症ぽいと伝えると、ちゃんとベッドで寝たほうが良いといわれ、ベッドの上で寝ました。
ポカリを持ってきてくれます。いたせりつくせりで本当に感謝です。
氷もいただき、それを首下に敷いて首元を冷やします。
ここではちゃんと眠れた気がします。
何分寝たか分かりませんが、すっかり落ちていたようでです。
ふと腕にこしょばい感覚を覚えハッと目を覚まします。
腕を見ると蛾。またお前か!
大丈夫ですか?とすぐさま救護の方が声をかけてくれます。
回復している感じはなかったですが、とえりあえず大丈夫ですと伝えて、エイドのご飯を食べ、先に進む決意をしました。
次のエイドまではとりあえず6kmだし、なんとかなるだろうと。

A6(91.8km)~A7(97.8km)

A6からは鉱石山を目指してつづら折のシングルトラックを登ります。
ここは去年、水をエイドに置き忘れて出発してしまったパートです。今回は、、ある、ちゃんとペットボトル持ってます!成長しました!!
登り3kmといえど、とても長く感じました。
下りは結構、体が軽くなっており、回復している!と感じることができました。
仮眠も復活のトリガーなのですね。
そういえばUTMFでの大復活は仮眠&カップ麺でしたから。
久しぶりに下りで数名をパスしてA7へ。


03:17
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「A7 太郎大日堂」
累積距離:97.8km
累積タイム:20時間46分
順位:86位
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A7の太郎に到着。
あー去年と同じ場所に戻ってきた~という感覚があります。
去年はこの先でぶっ潰れました。
今年は快走してやるぞ、と考えていましたが、むしろここに来るまでに潰れています。
その衰退に虚しさを感じ、情けなくなります。
しかし、A3よりリタイアを考えていたことを考えれば、ここまで来ただけ頑張ったほうでしょう。
ふと前屈をしてみると坐骨神経痛が酷く痛みます。あーあ、これ、レース終わったらどうなってしまうんだろう、もう知ーらない。

この先は約20kmで累積標高が2000mの最後の最後にして鬼パートです。
このまま進む勇気がなく、またもや仮眠室へ(笑)
うろうろしていると、救護の方が声をかけてくれました。
「先ほどのエイドでは脱水とのことでしたが、体調どうですか??」と。
びっくりです。なぜこの人は僕が脱水で仮眠していたことを知っているのでしょう。
A6にいた人?いやたぶん違います。初めて会う人です。
そういえば、A6で寝るときに名前をゼッケンNo.を書いたので、それがこのA7にまで伝達されたのでしょうか。
なんという連絡体制!!
上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイルの救護体制には感動ものです。
しかも、救護の人は後で聞くとどこかの救護系の専門学生らしく、僕よりもぜんぜん若い人ばかり。
なのにすごくしっかりしているし、真剣さがヒシヒシと伝わってきます。
人を助けたい!そういう思いがしっかりと。
僕も30歳になり、大学生などを見ると、「あー若いなぁ、なんか言動とかマナーがなっていないなぁ」なんて「いまどきの若者は」感が出ることが多くなったのですが、この学生さんたちには良い意味で裏切られっぱなしです。

そんな感動を覚えながら仮眠室へ。
中には1名ほどの選手。
UTMFみたく、仮眠室が劇混みしていなくて良いですね。
おそらく15分~30分ほど寝て、再出発の準備。
もうここまできたら完走目指すしかない。

A7(97.8km)~ゴール(119km)

出発してすぐに強烈に吐き気が。
ここで吐いてしまっては元気が逃げる、そんな気がして必死に耐えました。
ちなみにウルトラでは、よくゲロが話題になりますよね。
僕自身もやっぱり吐いちゃうことはありますが、基本、吐くことは身体云々よりも、環境に対して良くないことだと思うので、そうやすやすとゲロゲロするのもどうかと思うんです。
吐くならちゃんとトイレとかで吐いて、山の中で吐くのはできるだけ避けたいものですね。


04:13
A7からはしばらく長い林道の登りが続きます。
その入り口に鏑木さんからのメッセージが。
「疲れをしっかり抱きしめて」
ああ、おれは疲れを抱きしめずに幾度となく開放すべく仮眠してしまった。
という気持ちになりながらも先に進みます。

昨年はこの林道、わりと楽に登った記憶がありましたが、今年はとても長く感じました。
登りきろうとするころには、すっかりフラフラ状態でA6、A7での休憩で得た回復貯金はゼロになった感じです。
この辺りから日が昇り始め、ライトがいらなくなりました。
そして林道が終わり、目の前にトレイルが姿を現しました。
昨年、僕の精神をズタズタにした恐怖のトレイル。
意を決してその中へ。

トレイルは8kmほどあったでしょうか、やはり長く、アップダウンが厳しかったですが、覚悟ができていたので精神的には楽でした。
そろそろ雨乞山といったところでWSがありました。
ここには水のほかにエナジー系のドリンクがあったのですが、とても辛くて(周りの選手も辛いと言っていた)、多くを残してしまいました。


07:37
遂に来ました、ラストの山、雨乞山!
今回はもうだめかもと何回も思いましたが、やはり粘って良かったです。
残り4kmほどです。
最初は急斜面を下ります。これが110km以上走ってきた足にこたえます。
急斜面が終わると林道の下りになりますが、この下りでも踏ん張りがきかずに辛く感じました。
早くロードになってくれと、珍しくロードを欲していました。


トレイル区間を抜けると町並みが見えてきました。
もうすぐゴールだ!
そこにはこの鏑木さんからのメッセージ。
「ここまで来てくれて本当にありがとう あなたを心から誇りに思う」
去年このメッセージは、雨乞山付近に置いてあり、精神がズタズタになったところでこれを見たので涙しましたが、今年はタイミングが悪いというか、涙はなかったです(^^;)
ラストの3km、4kmというのは抜かされることが多いのですが、今日はもう既に多くの選手に抜かされているからか一人旅で来れました。


08:16
ゴール手前にある500mのつりがね橋です。
橋の下には管理釣り場があり、多くの釣り人で賑わっています。
いつもならば一釣り人として何が釣れているんだろうと様子が気になりますが、もはやそれは風景にしか映りませんでした。


8:19
ついに来ました、ゴールゲート!
ゲート手前のヴィクトリーロードには多くの観客がおり、手を差し伸べてきます。
有難いことに皆、僕の到着を心待ちにしていたようです。
「おめでとう!」「ありがとうございます!」「本当にすごい!」「ありがとうございます!」「あんたがナンバーワン!いやオンリーワン!!」
そのひとりひとりに握手を交わし、ゆっくりとゴールゲートへ・・・。
(※多少、妄想が含まれております)

ゴールゲートの先には鏑木さんがいてマイクパフォーマンスをしています。
ああ、どうしよう、なんかコメント求められるのかな、なんか恥ずかしい。
そうしてゴ~~~~~ル!
上州武尊スカイビュー・ウルトラトレイル120km完走です(^^)

タイムは25時間48分ほど。昨年より2時間ほど遅くなりましたが、順位は94位と昨年より上がっていました。
暑さ、路面の泥、コース変更などによりより過酷になったのでしょうか。

案の定、鏑木さんからコメントを求められました(^^;)
なんかこう辛すぎて精神がズタズタになったことを伝えたかったのですが、うまいこと言えずに「道徳心が失われました?」なんて意味の分からないことを言ってしまい、鏑木さんも??となってしましました。
これはヤバイ!とすぐさま「価値観が変わりました」とそれでもなんか伝えたかったこととは違いますが、ようやく鏑木さんも理解したというご様子。
そしてザックにはTGGのゼッケン「うさかめ」をつけていたのですが、それについても問われ、これもうまいこと頭が働かず、「えー、多摩川源流のプライベートレースで、武藤さんも出ており~」などとなぜか大会の説明をし始め、、。
とりあえず最後に「いいコースでしたよ!」と言うと、それには鏑木さんも良い反応を示してくれたので一安心。


撮影にも応じていただきました(^^)
司会の人から「うさかめさん、完走おめでとうございました~」と最後にアナウンスしていただき、そそくさとその場を離れました。

ゴール後

ゴール後、完走証とタオルをもらい、ホテルSLの風呂が9時から清掃するというので急いで荷物を受けとりに行きます。
それにしても暑くなってきました。太陽がジリジリと照り付けます。
ホテルSLの風呂(500円)に入り、汗を流して一息。
両足裏の豆が酷く、左は潰れてしまっていたので、入浴はできませんでしたが、さっぱり!
外の椅子に腰掛け荷物整理、シューズや衣服を太陽にさらして乾かします。
その後、体育館で一眠り。タキザワさんイセキさんのゴールを待ちます。

起きて表彰式やら会場をうろうろしているとタキザワさんが無事ゴール!
イセキさんは?
するとFacebookのメッセージに「あと4km」と連絡があり、ワラーチで苦戦しながらも完走に近づいているようでした。
そしてラストランナーの状況についてアナウンスが始まったころ、イセキさんゴール!
ワラーチは一度も壊れることなかったそうです。素晴らしい。

帰りはちょうど良いバスがなかったので、3人でタクシーに乗って沼田駅へ。
そこから上越線、高崎から新幹線で帰りました。
ちなみに新幹線は劇混み(^^;)
これにて武尊山ウルトラの旅は無事終了!

今回のウルトラは序盤で諦めモードだったものの、優柔不断な性格が功を奏して?ずるずると完走することができました。
やはりどんな状況でも粘ることが大事なんだと思いました。
故障を悪化させてでも、やっぱり完走は良いものです。