2014UTMF完走記③A5太郎坊~A8西富士中学校
A5 富士山御殿場口太郎坊(65.6km)
到着:4時31分
区間距離:9.9km
区間タイム:3時間6分(予定:1時間54分)+1時間12分
累計距離:65.6km
累計タイム:13時間31分(予定:12時間42分)+49分
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予定ではA4~A5まで1時間54分でしたが、仮眠もあって3時間6分かかってしまいました。
まぁまぁ大丈夫!これくらい許容範囲!
すっかり夜は明けきった感じです。快晴です。
テントが張られており、中にエイドがります。
早朝ということもあり、少し肌寒かったです。
でも極寒という感じもなく、ちょっと寒いという感じでした。
中にストーブがあり、その横にパイプ椅子があったのでそこに座り荷物整理します。
丁度、隣に座っていた選手はゼッケンが100番以内。
100番以内は去年の順位が100番以内の証拠らしいので、この選手は相当の兵。
直接会話はしませんでしたが、彼の仲間内の会話が聞こえてきて、今回は潰れた?とかでだいぶ遅れたそう。
「いつもは80kmまでは全然楽に行くのだけれども、今はまだ65km地点。今日は凄い長く感じる。」とのこと。
こんな人でも潰れる100マイルレースってのは分からないものだなぁーと思いました。
ここから次のエイド水ヶ塚公園まではロードの5.9km。
ここも記憶があいまいです。
ロードだったのですが、道の端には砂地があったので、なるべくそういった所を走るようにしました。
ロードが嫌いなんです。
A6 水ヶ塚公園(71.5km)
到着:5時43分
区間距離:5.9km
区間タイム:1時間12分(予定:1時間0分)+12分
累計距離:71.5km
累計タイム:14時間43分(予定:13時間42分)+1時間1分
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予定は1時間でしたが、実際には1時間と12分かかってしまいました。
ここは通過予想タイムが早朝とあり、凄い寒さを予想していましたが、実際にはそこまで寒かった記憶はありません。
一番寒く感じたのはレース終盤の「樹海~鳴沢氷穴」でした。
さて、次のA7までは下り基調の9kmです。
06:03 気持ちの良いゲレンデ?の下り。
途中からロードもあったりで、ちょっと気分が萎えてました。
そして、この辺りで胃の気持ち悪さが再発といった感じです。
ガスター10もすごい効果があるといったわけではないようですね。
ロードからトレイルに入る辺りで、なんか見たことある人が。
ああ、トレイルの雑誌に載ってた人だ。UTMB特集の。
で、その人とちょっと会話しました。
そしたらこないだの三浦半島の試走の時で一緒になってたS上さんでした。
雑誌だけでなく、なんか見覚えがあると思ったわけです。
モンブランに比べてUTMFはどうかなど会話しました。
A7 富士山こどもの国(80.5km地点)
到着:7時25分
区間距離:9.0km
区間タイム:1時間42分(予定:1時間36分)+6分
累計距離:80.5km
累計タイム:16時間25分(予定:15時間18分)+1時間7分
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そしてデポ地点の富士山こどもの国に到着。
STYのスタート地点でもあります。
累計タイムの予定15時間18分のところ16時間25分。1時間ほど遅れています。
けど酷い故障もなく、ここまでは割と順調な感じ。
胃の不調だけが嫌な感じです。
富士山が綺麗でした。
荷物整理
ちょっとして先ほどのS上さん、小鳥チームのUさん、そしてT村さん繋がりのS藤さんが到着。
皆で地面に座って荷物整理。
ライトの電池交換(まだ電気はつくが、新品に交換した)。
腸脛靭帯ともも裏に違和感があったので、そこにテーピング。
あと、左の足首が痛かったのでそこにもテーピング。でも足首のテーピングが良く分からず、適当な感じに・・。
足首はこの時、一番の心配箇所で、走っていると痛みだすので、止まって伸ばしてあげるとしばらくは走れるという感じでした。
靴下を「ドライマックス トレイルラン」から「ドライマックス ライトトレイルラン」に交換。
靴は一応、バハダを用意してましたが、ホカオネ マファテ2で続行。
この時点で指先はかなりやられていました。でも、膝への負担感とかが少ない気がしたので、ホカオネにかけました。
ジェルは補給用にSAVASのピットインリキッドを6本ほど用意していましたが、この時点でジェルはほとんど飲めない状態でした。
ジェルを飲むと吐き気がします。なのでジェル補給はなし。
胃の調子が悪いというと、S上さんが漢方薬をくれました。あの時はありがとうございました。
さらにS藤さんからはみかんゼリーを頂きました。
S藤さんはマイペースでほんわりした雰囲気を醸し出す優しいおじさんといった感じ。
しかしながら第一回UTMF、更にはUTMB完走者である為、侮れません。
「絶対完走するよ!」S藤さんが言います。
そしてゆっくり準備していると、先にS上さん、Uさんは出発したようです。
富士山こどもの国出発
残ったS藤さんとほぼ同時期に出発します。
ここまで約80km走ってきましたが、まだボチボチ走れる感じ。
林道で先にスタートしていたUさんに追いつきます。
しかしその先のロードの下りで抜かされます。
僕はロードの下りでかなりの人数に抜かされるようです。
逆にロードの登り、トレイルの登りでは抜かすことが多く、改めて登りが得意なんだなぁなんて思いました。
08:52撮影。こんな感じの林道が続きました。
W1 粟倉(94.9km地点)
到着:10時21分
区間距離:14.4km
区間タイム:2時間56分(予定:3時間48分)-52分
累計距離:94.9km
累計タイム:19時間21分(予定:19時間6分)+15分
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A7~W1区間を予定では3時間48分のところ3時間弱で走りました。
トータルでは予定19時間6分を19時間21分。
大分、予定に追いつきました。
3.8時間はこどもの国での大休憩を視野に入れてのものでしたが、そこまで休憩しなかったのでこの区間は予定より早くなりました。
結局、大休憩する場所はレース当日になってからでないと分からないのかもしれないですね。
今回はすばしりで予定外の大休憩でした。
粟倉にUさんの姿がない。
抜かされたといっても、そんなに間隔は空いていないのと思うので、恐らくはここでほぼ休憩せずに先に進んだのでしょう。
粟倉は水だけのエイド。
僕も長居せずに先を急ぎます。
青汁を拾う
出発後すぐに地面に何か落ちているのに気が付きます。
サプリメントのMAGMAでした。しかも新品。誰かが落としたのでしょう。
ゴミを拾うという意味でも、ありがたく頂くことにしました。
ゴクリ。うん、青汁っぽい!
送電線地獄
W1粟倉から西富士中学校までは細かいアップダウンを繰り返す区間。
基本は下り基調。
道はトレイルというか、芝生みたいな道が続きました。
で、ここで結構走れました。こういうトレイルは得意。
先ほどの粟倉まではロードも多くあり、萎えていたので、トレイルになり元気いっぱい!登りも走れます。
ここは後で知ったのですが「送電線地獄」と言われる悪名高き区間だったようです。
進んでも進んでも送電線ばかりで、精神的にやられるとか。
僕は送電線があることに気づいていませんでした(^^;)
そしてその先でUさんに追いつきました。声をかけ、そのまま先に進みます。
外国人選手の横を通ると、その選手が追い付いてくるかのようにスピードを上げてきます。
一緒に走り、「ウェアー、アーユーフローム?」「インディア!」と定番会話を楽しみます。
「ファーストタイム?」ああ、「イエス、ファーストタイム!」UTMFは初参加です。
しばらくこのインド人選手と走りました。
A8 西富士中学校(104.4km地点)
到着:11時49分
区間距離:9.5km
区間タイム:1時間28分(予定:1時間48分)-20分
累計距離:104.4km
累計タイム:20時間49分(予定:20時間54分)-5分
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西富士中学校に到着。
ここまでの累計タイムは20時間49分。
予定では1時間48分のところ1時間28分。
トータルでは予定20時間54分を20時間49分!
予定に追いつきました。
しかし、やはり眠気があり、ここは天子山塊に備え、予定通り仮眠する事にしました。
記念撮影
外のエイドには小鳥チームのKさん、I藤さん、K納さんがいました。
3人とももう出発とのこと。はやいなぁー。
あと、女将の手で有名な女将もいました。
皆で写真撮影。
知り合いがいると元気出ます。
カイロプラティック
エイドで補給して、そのまま仮眠の為に体育館内へ。
中ではカイロプラクティックをやってました。
足はそんな酷い故障はありませんでしたが、まだまだこれから長いしと、並ぶことにしました。
パイプ椅子に座って待っていると、スタッフのおばあちゃんがウェットティッシュで顔を拭いてくれます。
「泥だらけになったでしょ?元気出して」
まるで夏休みに外で遊んで泥だらけになった子供を綺麗にするかのよう。
これからマッサージを受けるにあたり、足が臭いのは大変申し訳ない。とウェットティシュを拝借し、足を磨きあげます。
爪が死んでいます。自分で見るのも辛いくらいに。なんかあり得ない部分にマメがあり、その豆が爪を押し上げてます。
痛い・・・。
10分ほどして自分の番になりました。
担当は気さくなおじさん。
痛いところを伝えて、ほぐしてもらいます。
「あーー右足と左足の長さが違いますね。」
膝を曲げ「こりゃ膝に結構来てますね。」「足首が痛い?たまに回してほぐしてあげてくだい。」
「はい、うつぶせでお願いします」「はい、次は上向きで」。
すごい丁寧に時間をかけてみてくれました。
しかし、足を掴んでほぐしてもらう際に爪に激痛。
でもやってもらっている以上、痛いとも言えず、我慢しました。
そしていい感じに眠くなってきました。こりゃこの後、仮眠だな。
仮眠@西富士中学校エイド(仮眠2回目)
マッサージを終え、体育館をうろうろしていると親と合流。
到着時刻などは伝えてないので、恐らくはランナーズアップデートで調べて駆けつけてきてくれたのでしょう。
A4すばしりの時よりかは落ち着いて会話し、そのまま仮眠。
しかし、結局は体が興奮しているのか寝られずに15分くらいで起きました。
ようやくUTMFがスタート! 天子山塊へ
起きてから再びエイドステーションへ。天子に備えて水をしっかり補給。
しかし、これまでの水の消費量を考えて、水は1.4リットルだけにしました。
その後、荷物チェックがありました。
携帯の電池は残っているか?エマージェンシーブランケットはあるか?ライトはあるか?などです。
チェックをパス、親と別れを告げていよいよ向かうは天子山塊。
13:51 UTMFの看板がありました。写真を撮る余裕があります。
西富士でしっかり休んで回復して快晴もあいまって、なんだか楽しくなってきました。
「ようやくUTMFがスタート」
そんなことを思いました。
ここまではなんか制限時間とか、周りのペースに追われて余裕が無かった感じがします。
104kmまで来られた安心感もあります。
あと65km。やっと現実的な距離になってきました。
よし!!天子山塊、倒すぞ!!
天子ヶ岳登り
しばらくするといよいよ天子ヶ岳への急勾配な登りが始まりました。
先を行く選手を見ると数名の選手が木の棒を持ってます。
ああ、そうか、あれをストック代わりに。
しばらくして丁度良い木の棒があったので、僕もそれを使うことにしました。
が、よくよく考えると、ストックは禁止だから木の棒もダメなのでは?
そんなことを思いました。
確かにこれは木の棒とはいえ楽になる。でもこれはルール上、グレーゾーンなのでは?
10分ほどして木の棒を手放しました。
OKなのかもしれないけど、やはりここは自分の足だけで完走目指したい!試してみたい!
ちょっと臭いかもですが、そんな思いから木の棒を使うのはやめました。
STYに遭遇
登りは僕の得意分野。
手でももを押して登ります。
やはり、登りは他の選手より速いらしく、どんどん抜かしてゆきます。
木の棒を持った選手も抜かします。
そうしているとなんだか後ろが騒がしくなってきました。
ん?なんだ?と後ろをみると、なんか勢いのある選手数名。
STYのトップ集団でした。
さすが早いです。急勾配な箇所は手でももをリズミカルに押して登り、ちょっとゆるい登りは走る。そんな感じ。
その後も続々とSTY選手がやってきました。
そのたびにUTMF選手は道を空けて立ち止ります。
僕も負けじとペースを上げます。
UTMFも負けてないぜ!という風に。
その先でUTMF選手の集団がありました。
軽い渋滞です。
STY選手通過で道が開けたのを見計らい、僕もスピードを上げて抜かしていきます。体調は良いようです。
天子ヶ岳到着
15:15 天子ヶ岳に到着しました。
ここまでは西富士の休憩もあり、余裕を持って来ることが出来ました。
しっかり休んで一気に天子をかたずける、これも作戦かもしれません。
長者ヶ岳到着
15:44 長者ヶ岳に到着。
雪見岳へ
16:29 富士山が綺麗です。
いくつかのピークを越えていよいよラスト1、雪見岳。
「いや、どうやら高低差マップではラスト1だがラスト2らしい」と、どこからともなく聞こえてきます。
その後、急勾配な登り。それでも登り切ります。
疲れた、これが雪見岳?
そこから急勾配な下りにさしかかり、これで天子山塊は終わりか?なんて思っていると、先ほどのラスト2情報は正しかったようで、再び急な登りが始まります。
やばい、さすがに疲れてきた。先ほどまでの余裕はどこへやら・・。
さらにお腹もすいてきて元気がなくなってきました。
フラフラ、ゾンビみたいな足取りで登ります。
ん?ラーメンのにおいがする!!いや味噌汁か!!!??
近くに食べてる人がいるのか?
そんなはずはありませんでした。これはなんでしょう。幻覚こそ見ませんでしたが、これは・・・幻臭?
しかしこれはキツイ!
もし西富士で休憩してなかったらもっと地獄を見ていたでしょう。
第一回はこの先、さらに毛無山に登り返したというのだからそのドM具合が伺えます。
雪見岳到着
17:56 雪見岳に到着。
一回目のピークが雪見岳と思っていたのですが、あれは単なる序章でした。
一回目よりもさらに登ってここ雪見岳。
天子山塊はやっぱりヤバかったです。
天子山塊下り区間
ちょっと暗くなり始めたので、暗くなる前に下りたいと、疲れた体に鞭を打って先を急ぎます。
んー、やっぱり予想を裏切らない急勾配なくだり。足指が痛みます。
まだ残りは長いので、膝へのダメージを考え、恐る恐る下っていると、後ろから声。
「うさかめーげーーーっと!!!!」
という声と共にものすごい勢いで下る選手2名。
一人はSTYか?もう一人はなんとT村師匠でした。
A4すばしりで点滴を受けていた為、てっきりリタイアかと思っていたのでびっくり。
会話をする暇もなく、あっという間に消えていきました。
やはりあの人は・・・。
俺も負けてられないと、膝が故障するリスクを少し高めてスピードを上げます。
A9麓エイドへ
その後、ペースが同じくらいの男女2名に追いつきます。
その二人につかせてもらいました。
急勾配が続き、ロープの区間も出てきます。
更に暗くなってきました。
ライトを準備しようにも、ペースを変えるのが嫌で、そのまま進むことにしました。
何回目かのロープ区間で渋滞が起きました。
前の男女2人組の男性がちょっと手間取っているようです。
すると後ろから「チッ!!」と舌打ちが。
いや、仕方ないでしょう・・。と思うと同時に、あ、この舌打ちは僕じゃないですよと前の二人に言いたくなりました。
うっ!とロープを掴んでいた体がバランスを崩して右側に倒れます。
その先には見事な岩。
右ひじを強打してしまいました。アイタタ。
そんな急勾配な下りと格闘すること3、40分。明かりが見えてきました。
A9麓です。
下りが終わり、平坦な道になったところで、前の男女二人にお礼を言いました。