2013八ヶ岳100マイル惨敗記③南八ヶ岳林道ゲート~松原湖~NTT受信所ゲート

第七エイド・南八ヶ岳林道出口ゲート

清里サンメドウズを出た後は、一度来た道を戻りトレイルに入ります。
雨がすごいです。
上はトレントフライヤー、下はバーサライトパンツで完全雨対策。
ボトルの出し入れが面倒だったので、ザックはその上から背負いました。

ストックの先端にはカバーをつけました。
カバーをつけるとロードでも滑らなくなります。
最初のロードの下りで、やっぱストック最高!って思いました。
膝の痛みも幾分かやわらぎ、そこからのトレイルは土砂降りでしたが、一番楽しかったです。
もしかしたらこのまま完走いけるかも!?とも思えました。
前後に選手もおらず、一人雨のトレイルをストックを駆使して進みます。楽しい!!


そして現れたラスボス。
どうやら大雨により川が増水したようです。
無情にも向こう側にここがコースと証明する矢印とテープがあります。
他の道はないかと探っていると後続の選手がやってきて、なんとそのまま行きました。
完全に足が浸かってるのが分かりました。
そして僕も意を決して、川に入りました。
「んー!アイシングー!!コレコレ!!」
そんなはずはなく、足の中はぐちょぐちょで気持ち悪いです。


そこを抜けるとロードが待ってました。


その先は林道。現在時刻は17:55。そろそろ暗くなり始めました。
しばらく進むと、スタッフの方が2名いました。
南八ヶ岳林道出口ゲートについたかと思いましたが、違いました。
ここでランプをつける為、腰を下ろしました。
するとスタッフの方がやってきて、「大丈夫ですか?」と声をかけて頂きました。
で、良く見るとその人、ハセツネボランティアとか前年の八ヶ岳とかで会っていた方で驚き!
「膝がやられてしまって」と伝えると「進み続ければ良いことあるから!」と激励の言葉を受けました。


そこからしばらく進んで80km地点。18:44。


19:33。南八ヶ岳林道出口ゲート。
予定は18:40だったので約50分遅れ。
写真力がなくなってきています。

このエイドには水しかないと清里で言われていたのですが、コーラやパワーバーなど少ないながらもありました。
今回、エイドは全体的に充実していたと思います。
参加費25000円考えたらまだまだ悲しいですが(今年はウェルカムパーティなくなっている)。

第八エイド・松原湖到着

そこから長ーく、足場の悪いガレ林道が待ってました。
ストックでごまかしてた腸脛靭帯が更に悪化したらしく、
下り終えた後のロードでは痛みで走れなくなってました。

松原湖到着は22:10くらい。
写真はないです。
予定は21:10だったので約1時間遅れ。
ようやくデポです。
理想はここでまだちょっと余裕ある感じだったのですが、現実はボロボロ。
体力的にはまだ大丈夫なのですが、膝が終わってます。
休憩所に行く為の登り階段3段が辛い。
靴脱ぐときも痛い。
中に入るとUTMFボラで出会った人がいました。
同じく膝をやられたとか、今年はコースがきつくなったことなどを話しました。

結局、松原湖では40分ほど休憩。
膝の回復を願ったのですが、全然良くならず。
でも気持ちは折れてないので進むことにしました。

松原湖~NTT受信所ゲート

松原湖を出たのが23時。
次の関門は次の日の11時。約12時間あります。
松原湖~NTT受信所~大河原峠間は当初では9時間を見ていました。
仮に9時間でいけたとして大河原峠~白樺湖関門までは3時間。
大河原峠~白樺湖関門は約17kmのロードの下りなので苦手なコース。
とりあえず進んでペースを確認しながら、制限時間と膝と勝負することにしました。

松原湖を出た後はずっとロードの登りが続きます。
1年前もここを通ったので覚えています。
去年は100kmの部だったので、まだ明るく、足も残っており、登りをグイグイ行った記憶があります。
今年は真っ暗。しかも得意の登りで右膝腸脛靭帯が痛い。痛さで歩くのがやっと。
「このペースじゃ間に合わない!!」と思いました。
しばらく進むとコースを示すライトが無くなっていることに気が付きました。
で、右に分岐があったのでそっちがコースなのかもと思いました。
ロスト?去年と同じならこのまま登っていけばいいけど。。
前後には選手がおらず、聞くこともできません。
結局、戻ることにしました。
戻ってしばらく下ると矢印がありました。
その矢印はしっかりと上を指しており、やはり去年と同じずっと登るコースでした。
ここにきてこのロスは痛い。足も痛い。

ずーっと登りました。そうすると看板が。


100km地点。日が変わって0:27。
この看板を見たとき、もうだめだと思いました。
松原湖は96km地点。ここまでの4kmに約1時間30分もかかってます。
「このままのペースで行っても関門に引っかかるのは確実。NTT受信所でリタイアできるとも限らない。なら安全に松原湖まで戻るか。」
悩みました。
すると後ろから選手が2名。
その2名も同じくリタイアを迷っていたらしく、3人で話し合い。
そのうちの一人(Mさん)が紙を見てました。どうやらペース配分を一覧表にしたもののようです。
なんかその表に見覚えがありました。
あっ!と思い、聞きました。「それ、うさぎとかめっていうホームページからとったものですか?」と。
「そうですよ。」なんとも偶然!
このホームページを見てくださっている方でした。
しかも丁寧に印刷までしてくれて。
すごい嬉しかったですが、反面責任を感じました。
そのペースを参考にした結果、今リタイアを考えるまでの状況に陥っているのではと思ってしまいます。

しかしながら、とにかく楽しくなり、ゴールは無理でもまだ歩きたいと思い、NTT受信所を目指そうと誘いました。
結局、Mさんは付いてきてくれ、もう一人の方は仲間に迎えに来てもらうようでした。
そこからも、しばらくロードの登りは続きました。
ただ、ここまで一人で来ていたのが話し相手ができたことで気持ちが楽になりました。
足取りも軽くなった気がします。やっぱり足が痛いとかいうのの半分は気持ちで負けているのだろうか?そんなことを思いました。
するとスタッフのいるポイントに到着。
ここでMさんがスタッフに「ここでリタイアできますか?」と聞くと、「できますよ」と返事があり、
Mさんはリタイア宣言。残念ながら握手を交わしました。
僕がスタッフに「NTTまではここから何キロですか?」と聞くと「5kmです。」と返ってきました。
5km!!松原湖~NTT間は19kmなのでもう14kmもきたのか???という気になりましたが、
それを聞いたMさんが「やっぱ行く!」と言いました。
かくして、その5kmを信じてNTT受信所を目指すことになりました。
そこからひたすら同じようなロードを約2時間歩き続けました。
変化が無いため、眠くなってきます。
頭の中で平井堅が「瞳をとじて」を歌ってます。
ヤメレー!
切り替えると、次はシャズナのすみれSeptemberLoveが流れます。
ヤメレ!!

やっぱり残り5kmではなかったようです。
無情にも「110km」の看板が見えました。
NTT受信所ゲートは115km地点なのでここからが5km!!!
でももう行くしかありません。
気づけば後ろから2名の選手が合流していました。
するとMさんがなにやら電話をしている様子。そして車がやってきた。
どうやらお仲間が迎えに来たようで、今度こそここでお別れとなりました。
ありがとうございました!!
残った2名でNTTを目指します。1名は遅れた?
そしてようやく見えた光。NTT受信所ゲート。
「ああ、終わった。悔しいなー。」と思いました。


3:20ごろNTT受信所到着。