古里駅~有間峠~武甲山~正丸峠~秩父トレラン


奥多摩から奥武蔵へのロングトレイル

北武蔵にある「皇鈴山」に行ってみたかった。
なんでだろう、奥武蔵の主要な山は殆ど行きつくした感があるからだろうか。
山と高原の地図を眺めていると、北武蔵というエリアにはまだそれほど足を運んでいないなと思い、皇鈴山を中心としたエリアが気になっていた。

そして11月25日、天気も良い、体調も脚も悪くない、ということで行くことにした。
当初の予定では、古里駅から日向沢ノ峰、有間峠を越えて武甲山、正丸峠、大野峠、皇鈴山、寄居駅(もしくは長瀞駅)というルートを考えていた。
距離にして60km、累積標高は4000mを越えると思われるコース。
コースタイムは28時間程度。
ロングコースだ。
寄居駅からの終電は22時過ぎ。始発から終電でなんとか間に合うかという感じ。
始発~終電チャレンジ企画である。

とはいえ、失敗した時にこの寒い季節、野営もきつい。
宿は予め調べておいた。
馴染みのある三峰神社のゲストハウス錦は満室の模様。
で、楽天トラベル(だったか)で出てきたのはゲストハウス日本一周。
なんともそそられる宿名である。
最悪はこちらに泊まることを考えて出発した。

コース情報

※計測:EPSON WristableGPS SF-710S

ルート

古里駅~赤杭山~曲ヶ谷北峰~踊平~日向沢ノ峰~有間峠~鳥首峠~大持山~小持山~武甲山~一の鳥居~妻坂峠~武川岳~名栗げんきプラザ~正丸峠~虚空蔵峠~大野峠~丸山~札所4番金昌寺~道の駅ちちぶ

距離

約50km

累積標高

約3950m

所要時間

約10時間30分

補給ポイント

ログモグ カフェ&ショップ(武甲山→一の鳥居の間)、名栗げんきプラザ、奥村茶屋、埼玉県県民の森(自販機)
※本コース終盤まで補給ポイントなし

古里駅スタート

2017年11月25日
朝の7時28分に古里駅に到着。
今回、スタートから正丸峠までをアゴさんとご一緒する。
アゴさんとは今年のUTMB壮行会で知り合った仲だ。

本来であれば、鳩ノ巣駅からのほうが有間峠まで近いのだが、古里駅近くにはセブンイレブンがあるため、古里駅スタートとした。
セブンイレブンでおにぎり2個、予備水350ml、朝食としてクロワッサン、コーヒーを購入。
水は全部で1800ml程度。
補給食は先のおにぎり2個と最近お気に入りのカロリーメイトジェル3個、それから素焼きのミックスナッツ、そんな感じ。

8時前にスタート。
ああ、そうだ、ちなみに古里駅ではSuicaチャージが出来ないので、残金が足りないと、セブンイレブンでチャージすることになる。

赤杭尾根、日向沢ノ峰


最初は長ったらしい赤杭尾根を登る。
1時間ほどで累積標高は1000mを越えた。中々良いペース。
そして、日向沢ノ峰手前の急登。
登り好きの自分としては思わず笑みがこぼれる。
こんな余裕こいていられるのも、所詮30kmくらいまでだけど。

日向沢ノ峰を越えて、有間峠へ。
有間峠辺りを境に山域は奥多摩から奥武蔵へと変わる。
この山域が変わる感覚がどうも好きである。
今年の3月に決行したSTC48を思い出す。
(STC48とは海から丹沢、奥多摩、奥武蔵を越えて秩父を目指す企画。コースタイムが約48時間。)


天気良く、遠くの方には富士山の姿も見えた。


仁田山
またやってしまった。
この仁田山はバリエーションルート上の山である。
有間峠へと進んでいると、途中より林道と並走することになるが、一般的な登山道ではこの仁田山は通らず林道を通過するようになっている。
またやってしまった、とはSTC48の時もここに来てしまったため。
まあ、ほんのちょっとの寄り道。
仁田山ルートは踏み後がちょっと薄い尾根って感じ。

有間峠、武甲山


仁田山から下って有間峠に到着。


鳥首峠を目指す。
この有間山から鳥首峠のルートは展望が良くて好きな場所だ。
ちなみにここからFTRのコース。FTRでは進行方向が逆だけど。

その先、大持山を越えた辺りだったか、集団のハイカーとすれ違う。
「こんにちわー」なんて挨拶をしていると、最後尾にいたのはFTRの長であるおっくん。
先日開催されたFTRでは不幸な事故が起きてしまった。
大持山、小持山付近で滑落した選手が亡くなってしまったのである。
おっくんの背中を見ると花束が。
そういうことか。
秩父市からは次年度以降後援しないとの発表もあったし、FTRどうなってしまうんだろう。
来年の開催はやはり厳しいのか。
これはFTRに限らず、トレラン業界全体として考えていくような問題だと思う。
今回、たまたまFTRで不幸が起きてしまっただけだと思うし。

そんなおっくんに一言「気をつけて!」と声を掛けられる。
これはなんか、もうこれ以上山で亡くなる人を出したくない、といった強い意味も込められているような気もした。
俺はFTR、おっくんを応援したい。


小持山からシラジクボまで下って、そこから登って登って武甲山に到着。
武甲山は多くの人で賑わっていた。
普通の格好の人も多く見受けられたから、多くは一の鳥居の駐車場から登ってきていたのかもしれない。

ログモグ カフェ&ショップ


武甲山から一の鳥居までは約800mほどを一気に下る。
下りきった辺りでカフェが目に入る。
「はて、こんなところにカフェなんぞがあったか」
と、覗いてみる。
すると軒先から「めぇーーーめぇーーーー」と声が聞こえる。
そちに目をやるとヤギ(笑)
こんなところにヤギがいるとは!
しかもクリスマス仕様ときた。
こちらに少し目をやると、すぐさま牧草を食べる作業に戻っていった。
せっかくなので、寄っていくことに。


りんごジュースを購入。300円。
このあたり、補給ポイントもなかったし、貴重なお店かも。
さらばだ、メメちゃん!(メメちゃんとは自分が勝手に名づけた)

名栗げんきプラザ、正丸峠、ルート変更

一の鳥居まで800mを一気に下ったと思えば、その先、武川岳まで登り返すことになる。
武川岳からは名栗げんきプラザを目指して下る。
げんきプラザで補給。
屋内に自販機があり、そちらでは飲料のほか、キットカットやポテトチップスの購入が可能。
ここでお茶600mlを2本追加。
あとキットカットも購入。

げんきプラザを後にする。
小高山の辺りでアゴさんと別れる。
アゴさんは正丸駅でフィニッシュとなる。
アゴさん、ありがとうございました!
ちなみにここまで約30kmで累積標高は3000mと、登り応えのあるコースだった。

自分は続行。
正丸峠に差し掛かる辺りで、本日「一人FTR100」を決行しているGOさんの現在地をメッセージにて確認する。
すると刈場坂峠に向かっているとのこと。
近いな。
うーん、ここで気持ちが揺れる。
皇鈴山に向かうか否かである。
結局、GOさんを追いかけることになった(笑)

奥武蔵はルート変更の融通が利くのがメリットであり、デメリットでもあるのかも。
デメリットというのは、気持ちが弱くなったら簡単なほうに進むことが出来てしまう、という意味で。


丸山の前後だったかで日が暮れだす。
ワクワクタイムに突入である。
ヘッドライトを準備。
今日のヘッドライトはブラックダイヤモンドのリボルト。
電池の持ちは良くない印象だけども、軽いし、一晩を越さないような今日みたいな行程にはぴったし。

一人のナイトトレイルは本当に楽しい。本当に不安でもあるけど。色んなことを考えたり、頭が真っ白だったり。
今日に限っては、もう町は近いし、前には恐らくGOさんがいるであろうと分かっていたから不安感は殆どなかったけど・・・。
しばらくして「札所4番金昌寺」の道標が多く目につくようになった。
どれだけ金昌寺を押すんだってくらいに(笑)
なんか、例えば八ヶ岳とかで赤岳くらいの立ち位置っていうのか、見所となっているというのか。

1時間か、ちょっと走っていると前方にライトの揺れるのが目に入った。
恐らくGOさんだ。
近づくとやはりそうであった。
そこからは2人でFTRのフィニッシュ会場である道の駅ちちぶを目指して走った。

そして18時ごろ、道の駅ちちぶに到着。
距離は約50km。脚に痛みが出ていないのが本当に嬉しい。まあ、違和感はあるけど・・。
故障は良くなったのかな。

ステーキハウスけん、祭りの湯 黄金コンビ


で、道の駅の隣にはステーキハウスけんがある。
ロングトレイルを走りきった感覚のまま、けんに直行となった。
これぞ「いきなりステーキ」であろう(笑)

で、その後は今年にオープンしたばかりの祭りの湯へ。
西武秩父駅に併設されたスーパー銭湯である。
今回、初めて利用した。
日帰り湯で、タオルなどなしプランで1080円。
中には色んな種類の風呂があり、自分的には炭酸湯が高評価であった。
畳の休憩スペースも良かった。
少し値ははるが、内容が良かったので、また利用したい。

一方、箱根湯本にある弥次喜多の湯、料金は1200円か1300円したと思う。
あそこは他に目ぼしいところがあまりないから仕方なく入っているようなもの。
駅前のカッパ温泉は接客がクソだし(笑)
箱根湯本あぐらかいてるな、と思った。

ロングトレイルで良い感じに疲れた身体に、ステーキと祭りの湯の黄金コンビですっかりご機嫌。
ああ、そういえば皇鈴山、、簡単に諦めてしまった(^^;)
また別の機会に訪れようと思う。

シューズ

今回、オニューのシューズで走った。
アルトラのローンピーク3.0。
アッパーなのかソールなのかが若干、硬い感覚があったけど、ほぼほぼ問題なく走れた。
硬さがあると、登りがちょっと微妙になるのが個人的な感想。
けど、他の人も言うように、下りの安定感はあったかも。
元々、ローンピーク2.0を履いていたけど、その時感じた「もっさり感」は無かったかな。
軽くなったのもあると思う。
来年の彩の国はこいつかなー。