第2回トレニックワールドin彩の国攻略!

2017年05月17日 装備・持ち物 カロリー計算追加
2017年05月17日 南1 桂木観音以降を更新
2017年05月17日 装備・持ち物 カロリー計算追加
2017年05月08日 4/29試走情報追加
2017年04月18日 関門情報修正(北関門なくなりました)

第2回トレニックワールドin彩の国に参加します

2017年5月20日に開催される「第2回トレニックワールドin彩の国」に参加します。
この大会には100マイルの部と100kmの部がありますが、自分は100マイルにエントリーしました。
前回の第1回開催時には100マイル完走者0人という伝説の大会です。
100マイルのトレイルレースにしては制限時間が33時間と短く、昨年はトップ選手も足きりとなりました。

2017年は距離が若干短くなり、制限時間がプラス2時間となりました。
とはいえその難易度は国内トップクラス。
データや試走の感触からこのレースを解析し、攻略していきたいと思います。

2016年と2017年の相違点

まず、大会要綱について比較してみましょう。
※100マイルのみ比較

2016年

距離:165.6km
累積標高:9488m
オフロード:122.3km(73.7%)
制限時間:33時間
完走率:0%(0/52)
参加費:22,000円
スタート:9月3日 9:00
定員:200人

内訳

北:距離55.8km、累積標高3290m、オフロード38.8km(69.4%)
南1:距離54.9km、累積標高3099m、オフロード41.8km(75.8%)
南2:南1をもう1周

関門時間は以下の通り

小江戸大江戸トレニックワールドのホームページより引用

2017年

距離:161.9km
累積標高:8855m
オフロード:118.6km(73.2%)
制限時間:35時間
参加費:22,000円
スタート:5月20日 7:00
定員:200人

北:距離51.0km、累積標高2920m、オフロード35.0km(68.6%)
南1:距離55.0km、累積標高3025m、オフロード41.2km(74.9%)
南2:距離55.9km、累積標高2910m、オフロード42.4km(75.8%)

関門時間は以下の通り

トレニックワールドサイトより引用
※上図では北に関門3箇所ありますが、これらは撤廃となりました。

大会要綱データ比較結果を考察


まずは単純にデータから読み取れる事柄を挙げていきます。
距離は3.7km短く、累積標高は633m低くなり、制限時間は2時間延びていることがわかります。
これだけで単純に考えれば、2016年に比べて難易度が下がったと言えるでしょう。
また、距離の-3.7kmはオフロード部分、つまりトレイル部分だということもわかります。

各区間の制限時間について考察


各エリアの制限時間

全体の制限時間が33時間から35時間に2時間延びたことはわかりましたが、その内訳について見ていきましょう。
本レースは大きく以下の3エリアに分けることが出来ます。
1.北コース
2.南コース1周目
3.南コース2周目
2016年では10時間、11時間、12時間の合計33時間であるのに対し、
2017年では10時間、12時間、13時間の合計35時間となっています。
北コースの10時間は変更なく、その後の南コースがそれぞれプラス1時間された形になります。
2017年の制限時間が変更となりました。
トータル制限時間の35時間に変更はありませんが、北コース10時間の制限が廃止となりました。
よって、北コース&南コース1周目を22時間で走れば良い事になります。

各エリアの関門ペース

北10時間&南1周目22時間(12.5分/km)、南2周目13時間(14.2分/km)をそれぞれハセツネ完走タイムに換算すると、サブ15、サブ17程度となります。
ハセツネ換算という話はあくまで双方の距離に対する累積標高が同じであることが前提ですが。
ハセツネは距離71.5kmで累積標高4582m→1kmで64m登る、
彩の国は距離161.9kmで累積標高8855m→1kmで54.7m登る、となります。
参考程度に。

関門が減少

2016年と2017年の大きな違いと言えば、2017年は関門箇所が減ったということ。
2016年では全てのエイドで関門時間が設定されていたのに対し、2017年では北コースは3箇所(2箇所減) 0箇所、南コース1周目では1箇所(5箇所減)となりました。
これは完走するにあたってはプラスの要因です。
途中でペースが落ちても、その後挽回できる可能性があるということ。

「106km / 累積標高5945m / 22時間」という関門時間について

制限時間の変更により最初の関門は北コース&南コース1周目を終えた時点で22時間となりました。
つまりスタートから106km地点、累積標高5945mを22時間以内となります。
この数字を見てパッと思い出したのは「FunTrails 100K Round 秩父&奥武蔵」。通称FTR。
FTRについてのデータは以下の通り。
2015年 距離104km / 累積標高7617m
2016年 距離105km / 累積標高6658m

2016年のデータなんかはかなり近似値ですね。
トレイル比率も似ていると思います。現に子ノ権現など一部コースも被っています。
FTRに参加された方は、そのタイムが参考になるのではと思います。
FTR100Kを22時間以内完走者は、
2015年:72 / 515名(14.0%)
2016年:82 / 572名(14.3%)
となります。
「100km越えトレイルレース上位15%以内」が、最初の関門「106km & 5945m & 22h」突破の境目になるかもしれません。
ただ、こんなものは机上の話。当日の天候によっていくらでもひっくり返ると思います。
昨年の100マイルで完走者が一人も出なかったのは、単に制限時間だけの問題だけではないような気がします。
一説では彩の国100マイルの累積標高は公表値と違って10000m越えとの話も(試走者のGPSデータ計測により)。
入念にタイムスケジュールを練り、当日は状況よって軌道修正。これが完走への一歩となるに違いありません。

第1エイド / 第2エイドの制限時間の厳しさ

しかしながら、注意しなければいけない点があります。
それは第1エイド「くぬぎむら体験交流館」、第2エイド「慈光寺」の関門時間の厳しさです。
全体的に関門時間が緩くなった印象の2017年ですが、「くぬぎむら体験交流館」の関門では逆に10分短くなっています。
慈光寺12.8kmで2時間10分、ペースにすると10.2分/km。
ハセツネでいうと12時間10分ペースといえば分かりやすいでしょうか。
また、次のエイドの関門も厳しく、慈光寺18.9kmで3時間15分でペースは10.7分/km。
ただ、スタートから「くぬぎむら体験交流館」まではロードが多く、勾配もきつくないので、これらを考慮すればそこまで厳しくないのかもしれません。
第1エイド / 第2エイドの関門は廃止となりました。

北コースの変更点

2017年でコース変更されたのは北コース。
慈光寺から先、都幾山を越え、金嶽山へと進みます。
2016年は金嶽山から南西方向へと進み、堂平山、旧定峰峠、白石峠でした。
2017年は金嶽山から北へ進み、ぐるっと回って堂平山、旧定峰峠は省略して、白石峠となります。
結果、距離が4.8km減ったようです。

南コースの変更点

南コースは当初、2016年と変更なしでしたが、同日に開催されるスポーツエイドジャパンの大会とコースが被るため、南2周目がコース変更となりました。
根の権現から先、竹寺へは下りずに、そのままバリエーションルートを進み、登戸、白鬚神社、そして天覚山へと登り返します。

気温はどうか

2016年の開催時期は9月とあり、参加者から聞くと暑かったそうです。
しかしながら夜間帯には雨が降り、体が逆に冷えてパフォーマンスが落ち、完走率を下げたようです(100kmの部も20%程度)。

一方、2017年は5月開催。
流石に猛暑になることはないと思いますが、夜は冷える可能性が高いと予想されます。
しっかり防寒対策していれば、9月よりも5月のほうが完走率は上がりそうですね。

他の100マイルレースとの比較


国内の100マイルレースについて「距離」「累積標高」「制限時間」をもとにその難易度について比較していきたいと思います。
対象期間は2014年以降。
上州武尊は100マイルレースではないですが、参考として一覧に入れました。
「登り強度」とは累積標高を距離で割った係数で、1km進むごとに平均で何メートル登っていることになるかを表しています。
「ペース」は制限時間を距離で割ったもの、どれだけのペースで進めば完走出来るかの目安ですね。

路面状況

国内の100マイルレースは「UTMF」「おんたけ」「KOUMI」そして「彩の国」の4つとなります(他にあったら連絡ください)。
2012年、2013年には伝説の八ヶ岳スーパートレイルというレースもありましたが、現在は開催されていないので割愛します。
各レースの路面状況について、自分のざっくりとした見解としては以下。

UTMF:トレイル65%、ロード35%
おんたけ:林道100%
KOUMI:トレイル50%、ロード50%
彩の国:トレイル75%、ロード25%
上州武尊:トレイル80%、ロード20%

おんたけウルトラ

やはり「おんたけウルトラ」は異端。ペースはキロ9分程度で走らなければ完走出来ません。
しかし、路面状況はほぼほぼ林道で登り強度は最も低い。
(2015年の累積標高9600mというのは間違いだと思いますが・・)
要は走れる100マイル、つまり走らなきゃいけない100マイルレースですね。

上州武尊

逆に一番走れないレースは「上州武尊」。2016年の登り強度は71.3m/kmで最も走るのが辛いレース。
しかし、その分ペースはゆっくり設定の16.3分/km。

彩の国

さて、問題は「彩の国」。
KOUMIと比較した場合。
登り強度は同じくらい。ペースはKOUMIよりもちょっと速い。
つまりKOUMIよりもトレイル比率が高いのに(走りにくい)、速く走らなければ完走出来ないということがわかります。
UTMFと比較した場合。
登り強度は同じか彩の国の方が少し高い値。ペースは彩の国の方が1kmにつき3分、4分速く走らないといけません。
要はUTMFよりも厳しいと言うことです。

レース難易度を決める要因

ただこれらは「路面状況」「距離」「累積標高」「制限時間」の4ファクターによる机上の話。
あと考慮しなければいけないのは「気温」「エイド間」「エイド内容」「ストック使用可否」「サポーター状況」など。
彩の国2017について言えば、5月で割りと走りやすいと思われます → プラス要因
エイド間、これは大体10km間隔であるので多いほう → プラス要因
エイド内容、、これは一般的でしょうか。
ストック使用可否。これは不可 → マイナス要因
サポーター、南2周目にペーサーをつけることが許されています → プラス要因

個人的にこの中で厳しいと思うのは「おんたけウルトラ」。
それは自分が走れるコースが苦手(走り続けるのが苦手)というのもありますし、開催月が7月で走るには暑いこと。
そしてエイドの内容が期待できないこと、制限時間が短いこと。
ロードのウルトラが得意な人であれば、おんたけウルトラは良いと思います。
トレイルが苦手という人にとっては彩の国100マイルは難しいレースになるでしょう。

なお、距離、累積標高、制限時間については下記のサイトを参考にしました。
2016年ウルトラトレイル・マウントフジ第5回大会エントリー資格レース一覧表
UTMF/正式リザルトの変更および正式距離・累積標高について
2016年ウルトラトレイル・マウントフジ第5回大会概要発表
・OSJおんたけウルトラトレイル100K - 2016年07月16日(土) ~ 07月17日(日) - マウンテンスポーツネットワーク (MtSN) / 山と溪谷社
小江戸大江戸トレニックワールド
第3回 上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル(山田昇杯) エントリー資格レース 一覧表
スカイビュー 大会概要 《山田昇メモリアル杯》  Yamada Noboru Memorial Cup

試走記録

参考までに以下に彩の国試走データを羅列していきます。

2016年12月24日 北コース

距離:22.7km
累積標高:1338m
所要時間:4時間4分(11時56分~16時1分)
ルート:越生駅 → 越生梅林 → 大楠 → 大築山 → くぬぎむら体験交流館 → 正丸駅
メンバー:単独

右足の甲が痛く、くぬぎむら体験交流館で早々に正丸駅へエスケープ。

2016年12月25日 南コース1周目

距離:46km
累積標高:2928m
所要時間:9時間41分(7時31分~17時12分)
ルート:越生駅 → 虚空蔵尊 → 桂木観音 → 横吹峠 → 四寸道 → 関八州見晴台 → 高山不動尊 → パノラマコース → 西吾野駅 → 森坂峠 → 子ノ権現 → 豆口峠 → 竹寺 → 前坂 → 天覚山 → 東吾野駅 → ユガテ → 北向地蔵 → エビガ坂 → 一本杉 → 鼻曲山 → 桂木観音 → ゆうパークおごせ
メンバー:6名

南コース1周目の85~90%走破。
最後は桂木観音からゆうパーク越生へエスケープ。

2017年1月21日 北コース

距離:32km
累積標高:2484m
所要時間:7時間35分(7時35分~15時44分)
ルート:越生町自然休暇村センター → 大楠 → くぬぎむら体験交流館 → 新柵山 → (ロスト) → 慈光寺 → 都幾山 → 金嶽山 → (ロスト) → 笠山 → 皆谷バス停
メンバー:5名

くぬぎむら体験交流館より先を初試走。
案の定、新柵山より先と、金嶽山より先でロスト。

2017年1月28日 北コース

距離:40km
累積標高:2531m
所要時間:8時間7分(8時10分~16時17分)
ルート:越生駅 → ニューーサンピア → 大楠 → くぬぎむら体験交流館 → 新柵山 → 慈光寺 → 都幾山 → 金嶽山 → 笠山 → 堂平キャンプ場 → 白石峠 → 大野峠 → 芦ヶ久保駅
メンバー:8名

前週に引き続き北コース試走へ。
先週よりもペースアップし、笠山より先へ進み、堂平キャンプ場を経て白石峠へ。
堂平キャンプ場はトイレと自動販売機が使えないので注意。
管理棟では飲料、アイスクリームなど販売あり。但し、営業日、営業時間は不明。
白石峠から先、積雪量によりロードで迂回。大野峠で芦ヶ久保駅へエスケープとなった。

2017年2月4日 南コース2周目

距離:45km
累積標高:2917m
所要時間:9時間52分(8時6分~17時58分)
ルート:越生駅 → 西山高取 → 大高取山 → 桂木観音 → 横吹峠 → 四寸道 → 関八州見晴台 → 高山不動尊 → パノラマコース → 西吾野駅 → 森坂峠 → 子ノ権現 → 豆口峠 → 竹寺 → 登戸 → 種木 → 天覚山 → 東吾野駅 → ユガテ → エビガ坂 → 一本杉 → 鼻曲山 → 桂木観音 → ゆうパークおごせ
メンバー:3名

南コース2周目を試走。
2周目は竹寺の後、前坂へは向かわずにバリエーションルートとなる登戸へと進み、種木を経て天覚山に登り返す。
種木への下りルートが不明で若干、違うところに出てしまいました。

2017年2月19日 南コース1周目

距離:44km
累積標高:2694m
所要時間:7時間9分(8時15分~15時24分)
ルート:越生駅 → 西山高取 → 大高取山 → 桂木観音 → 横吹峠 → 四寸道 → 関八州見晴台 → 高山不動尊 → パノラマコース → 西吾野駅 → 森坂峠 → 子ノ権現 → 豆口峠 → 竹寺 → 前坂 → 天覚山 → 東吾野駅 → ユガテ → エビガ坂 → 一本杉 → 鼻曲山 → 桂木観音 → ゆうパークおごせ
メンバー:単独

復習も兼ねて単独で南コース1周目へ。
省略したのは、最初のニューサンピア周り、北向地蔵、最後の桂木観音~大高取山~ニューサンピア部分。
最高地点である関八州見晴台への登りよりも、根の権現への登り返し、天覚山への登り返しがきつい印象。
ペースもそこそこに東吾野駅でダウン。
そこからはペースを落とすも、単独で休憩時間を削りやすく、また一度試走しているのでロストも少なかったためか、南行程の約85%ルートを7時間9分ほどで走れた。

2017年2月25日 北コース

距離:56km
累積標高:3032m
所要時間:9時間34分(7時40分~17時14分)
ルート:越生駅 → ニューーサンピア → 大楠 → くぬぎむら体験交流館 → 新柵山 → 慈光寺 → 都幾山 → 金嶽山 → 笠山 → 堂平キャンプ場 → 白石峠 → 大野峠 → 刈場坂峠 → 飯森峠 → 猿岩峠 → 城山(285.8) → 越生梅林 → ニューサンピアおごせ
メンバー:10名

北コースを最初から最後まで試走。スタート後のニューサンピア越生をぐるっと一周する部分も試走。
やはり肝は金嶽山を越えた後の緩く長い登りの続くロード区間からの急登の笠山。
そして白石峠から飯森峠までのアップダウンもきつく感じた。
が、飯森峠からは長い下りの林道、その先もほぼほぼ下り基調なトレイルだった。

2017年4月29日 南コース2周目

距離:51.8km
累積標高:3080m
所要時間:10時間2分(7時22分~17時24分)
ルート:越生駅 → ニューーサンピア → 西山高取 → 大高取山 → 桂木観音 → 横吹峠 → 四寸道 → 関八州見晴台 → 高山不動尊 → パノラマコース → 西吾野駅 → 森坂峠 → 子ノ権現 → 豆口峠 → 竹寺 → 前坂 → 天覚山 → 東吾野駅 → ユガテ → エビガ坂 → 一本杉 → 鼻曲山 → 桂木観音 → ゆうパークおごせ
メンバー:2名

スタート地点からほぼほぼ南コースの2周目を走り、最後はゆうパークおごせへエスケープ。
途中、ユガテから一本杉間での北向地蔵はカット。
2017年2月4日の試走の際にはルートが分からなかった、南コース2周目専用のバリエーションルートから種木へと降りるルートも正しく進めたと思います。
既にGPXファイルが公開されていますし、テーピングもあるため前回より容易にルートファインディング出来ました。