わたらせ渓谷サイクリングとトロッコ旅

足利へ

2016年4月16日~17日にかけて群馬県のわたらせ渓谷鐵道トロッコ、栃木県の足利・織姫ハイキングコースを旅してきました。
そもそも最初にこの地域へ行こうと思いついたのはゲストハウスがキッカケ。
GoogleMapで埼玉周辺のゲストハウスを検索していたところ足利市のゲストハウス「松香庵」がヒット。
近くにはトロッコ電車の走るわたらせ渓谷鐵道や、トレランの出来そうなコースも見つかったことから探索に出かけたのでした。

コース

赤城山駅→間藤駅
距離:約40km

自走断念

当初の予定では埼玉の自宅より自走でわたらせ渓谷鐵道の最奥地である間藤駅まで走るつもりでした。
しかし今日は土曜日。一週間の疲れが抜けきっておらず、一人旅ゆえ集合時間もなく、二度寝は致し方がないでしょう。
ようやく出発したのが8時過ぎ。トロッコの整理券を既に購入していたので、発車時刻である15時28分までに間藤駅まで行かなければなりません。
距離は最短で120kmほど。残された時間は7時間ちょっと。平均時速20kmくらいで走れば間に合う計算。
これが信号もなく舗装された道の上を走るレースであればなんら問題はないでしょう。
が、今回は初めて行く場所とあり道の状況はほとんどわからず。
間に合うか不安な中、家を出発しました。

最初は荒川沿いの道を走って熊谷を目指しました。
つい先日、仲間に連れられ荒川をサイクリングし榎本牧場まで行ったので、道は覚えているはず。
だったのですが、10kmも走らないうちに前とは違う風景。
橋を渡って埼玉県と東京都を行ったり来たり、行き止まりで自転車を担いでは階段を上り下り・・・。
気付けば時速20kmなんぞ夢のまた向こう状態。ここまで30km弱。
ヤバイ間に合わない。

「荒川はダメだ!」ってことで荒川を離れ、大宮あたりの車道に入りました。
が、やはり初めての道とありここでも迷う・・。
と気付けば目の前に「カフェガスト」。
ポキっとここで心が折れ、入店。
ゆっくりモーニングすることにしました。
「急ぐ旅なんて旅じゃないんだなあ」

小一時間ほど茶を飲んで再出発。
大宮駅より輪行となりました。
乗ったのは10時51分発の列車。
カフェガストでゆっくりしすぎて輪行袋に詰める作業の最短記録が生まれましたヨ・・。

赤城駅→草木ダム


久喜駅、館林駅で乗り換え、赤城駅に到着。
現在時刻は12時37分。
トロッコの発車時刻が15時28分で、ここ赤城駅からの距離は約40km。
輪行作業などを考えると実質2時間40分くらいか。
ここからは渓谷沿いの道を走ることもあり、割と余裕がないことに気が付きます。


GoogleMapのストリートビューによる事前調査でメインの道路(東国文化歴史街道)には多くのトラックが走っている様子が確認出来たので、わき道を進むことにしました。


最初は「貴船神社」を目指しました。


その先、狭くてカーブが多い道が続きます。
わき道とはいえ対向車が走ってくるので要注意です。


山の中っぽくなってきました。
渓谷もちらほら見受けられます。


途中から「花桃まつり」と書かれた旗を多く見るようになってきました。
しばらくするとその現場に到着。


なかなか見事な咲き具合。


これがあるから交通量が多かったのかも。


道は再び山の中へ。
と、右斜面の崖でなにやらガサコソと物音。
まさか崖崩れじゃないだろうな・・なんて思っていた矢先、目の前に現れたのは大量の猿!
崖に設置されたフェンスをよじ登って逃げて行ってくれたものの、もしあんなのに集団で襲ってこられたらひとたまりもないなと思いながら先へ進む。


草木ダムが近づいてきたところで立派な機材で写真撮影をしている人を発見。
なにかと見下ろせば立派な滝。
不動滝という名前のようです。
時間があれば下りて間近で見たかった・・。


草木ダムに到着。


ダムの反対側には、まさに里山といった風景が広がります。


ここでわき道は終了。
東国文化歴史街道へ。

草木ダム→間藤駅

東国文化歴史街道に入った途端に現れたのは数台のトラック・・。
事前調査通りでトラックが多く走っていました。
とはいえさすがはメイン道路、道の状態が先ほどまでのわき道より良く、スピードが出ます。
途中、トンネルが2か所ほどありました。
ちょうど脇を大型トラックが通ったこともあり冷や汗。自転車はこれがホント嫌です。
傾斜が時折きつくなり、時間に間に合わせようと無理して漕いだため足は売り切れ。
かなり追い込みました(^^;)

15時前に間藤駅に到着。良かった、トロッコには間に合いそうです。
昼飯もここまで我慢してきたのでお腹ペコペコ。
トロッコの最終地点だし何かしら売店があるだろうと思っていたのですが、あるのは自動販売機のみ。
商店などもやっていませんでした。


仕方なく周辺散歩。
写真は間藤駅より先の線路。
今は使われておらず、このような状態。


間藤駅周辺の町並み。


間藤駅。
桜が綺麗に咲いていました。


輪行の準備。
ちなみに間藤駅は無人駅です。


「カモシカの見られる駅」とありますが、今回は残念ながら会えませんでした。


間藤駅についての説明書き

トロッコ列車


発車時刻の10分ほど前、トロッコがやってきました!
その名も「トロッコわっしー」
なんとも微妙で愛らしいキャラクターが描かれております。
写真を撮りに来たギャラリーも数名。


乗車券1110円と輪行の手荷物量280円を支払い中へ。
ちなみにトロッコになるには別途整理券510円が必要となり、今回のように輪行でトロッコ利用のようなケースだと・・・
1110+510+280=1900円必要となります。
結構高いですね(^^;)
整理券は事前にJRみどりの窓口で購入していました。
が、当日その場で整理券を買っている人がいたので、混んでいない日だと事前に整理券を購入しておく必要はないのかも。


トロッコの中。
乗車客は僕ともう一人のおじさんの計2人。
程なくしてトロッコ出発。


売店もあります。
弁当を食べようと思っていたのですが、お昼のみの販売でした(><)
仕方なくポテトチップス200円を購入。
途中の駅からもポツポツと乗客がありました。


車窓から臨むわたらせ渓谷。白くて大きな石がゴロゴロ。
ポイントポイントでアナウンスが入り、景色を説明してくれます。


途中の長いトンネル区間では中がライトアップ。


わっしーもライトアップ。

途中で遅延したこともあり2時間近くかかって桐生駅に到着。
寝不足だったのか列車に乗っている半分くらいの時間は寝てしまっていました(^^;)


桐生駅の改札を出てすぐに目に入ったのはお蕎麦屋さん。
店主=おじいちゃんは暇だったのか新聞を読んでいました。
朝からろくなものを食べていなかったので、ここで迷うことなく山菜蕎麦を注文。400円。
近くに一つだけあったテーブルでいただきます。
その後、地元の高校生カップルと思われる客も蕎麦注文。
テーブルが一つだけとあり相席。
「私、蕎麦一番大好きなんだよね!!」「あ、でもやっぱり一番は甘いものかな!生クリームとか!」
女子だな。

足利のはなまるうどん事情

もう夕暮れ近く肌寒い。
足も疲れていたので、このまま輪行でゲストハウス最寄りの足利駅までと思ったのですが、次の列車までは30分ほど。
桐生駅からゲストハウスまでは15kmちょいとあり、自走することに。


割と良いペースで足利に到着。
やはり食べたら体が動くのか。
趣のある神社が見えたので近寄ってみると、それは織姫神社。
ああ、これか、ハイキングコースの入口は。
そう、当初は自転車ではなく、この織姫神社を入口とした30~40kmほどのトレイルコースを走る予定だったのです。
が、わたらせ渓谷のトロッコに惹かれ自転車旅となったのでした。

先ほど蕎麦を食べたものの、それでも腹は満たされず。
足利駅に到着するとそこには見慣れた看板「はなまるうどん」。
よし、入るか。
何もここまで来てはなまるうどんかよって感じですが、そこは良しとしましょう。
カレー丼とから揚げ、おでんの牛筋を注文。うどん注文してへんやん!!って突っ込みはナシで。
なんとここのはなまるはネギとうどんだしがセルフサービス!
これはポイント高いですよ!

かれこれ15年ほど前、私が高校生だった頃、大阪の地元にあったはなまるうどんでは鰹節もセルフサービスでした。
100円の「かけ」だけ注文すれば、ネギ、鰹節、天かすを好きなだけ!なんとも夢のような時代でした。
それがいつからか鰹節は1パック10円、ネギも追加50円、かけも130円に値上げ・・。
そんな昔のことを思い出しながら出汁をすするのでした。
こういったねぎセルフとかは地域、店舗によって結構異なるものなんですね。

ゲストハウス松香庵

すっかり日は暮れ時刻は19時前。
事前に宿に伝えてあった到着時刻は19時だったので丁度良い頃合いか。


はなまるうどんからメインストリートを少し走って、わき道へ入ると「松村記念館」の看板を発見。
この松村記念館に併設されている建物が今晩のお宿「ゲストハウス松香庵」です。


松香庵の玄関です。
鍵がかかっていたので、宿に電話すると宿の方が出迎えてくれました。
宿は夫婦で切り盛りされています。


今日は他にゲストがおらず貸切だとか(^^;)
しかもオーナー夫婦ははなれで生活しているので、本当に一人ぼっち。
どんなゲストと出会えるのかと楽しみにしていたので、ちょっと残念。
まあ、いっか。

夜の足利散策


シャワーを浴び、その後自転車で夜の足利を散歩。
閻魔大王様がおられました。


鑁阿寺(ばんなじ)へ。
中に入るも人の気配はありません。
お祈りをしてふと横を見ると何かがうごめく気配!?


そこには獅子舞が。びっくりした。
占いゲームのようです。
辺りは真っ暗なのにここだけ電源が入って、中の獅子が踊っています。
なんともシュールや~。


近くのスーパーで資材調達。
ミニトマト、缶詰、豆乳、ワイン、スナック菓子、カロリーメイト、朝食パンなど。


ワイン90mlの飲んでお腹いっぱい。
サバと胡椒だったか、この缶詰はかなりいけました。
朝用にと購入してきたパンに余ったオリーブオイルを浸けて食べるとこれがまたおいしい。
今が良ければそれで良い。明日の朝はまた考えよう!


その後、読書。
「美しく生きる」って本に何か惹かれて手に取りました。
これはどうもここのオーナー宛てに送られた追悼集でした。
52歳という若さにして胃がんの為、亡くなられた故人。
しかしながらその生き方からはタイトルの通り美しく強さを感じさせられました。
特に印象に残ったのは胃がん最終ステージと宣告されてからの約1年間の生き方。
予期せぬ事故によって亡くなられる人も少なくはないこの世の中、自我を強く保ちながら身の回りを整理して周りの人間に看取られながら最期を迎える、なかなか出来ないことだよなあと感心させられました。
全く見知らぬ方の生き方と何かの縁があってここで出会いました。

明日は昼ごろ天気が悪いらしいが、朝早くに起きて織姫トレイルに行くかなとアラームをセットし、12時ごろ就寝。
一日一生、一日一日を大事に生きていきたいですね。