ワラーチ2作目とレースインプレなど

ワラーチ2作目

2013年5月に製作したワラーチですが、現在は2足目を製作し、日々のランニングには欠かせない「靴」となりました。
まだまだ日々試行錯誤を行い、完成形ではないのですが、最近の状況をお伝えできればと思います。


ワラーチ2作目
写真は「ウェットスーツ&真田紐」から「CRネオセル&スポンジ&アクリルテープ」にリメイクした状態のもの。

2作目ワラーチの材料

ワラーチ2作目の材料は以下の通りです。

ソール


ビブラムシート 8338
購入先:東急ハンズ渋谷店

フットベッド


CRネオセル皮付
本体サイズ:300×300×厚1.5mm
購入先:東急ハンズ渋谷店

クッション


NR黒セルスポンジ
本体サイズ(約):厚5×幅200×長さ330mm
購入先:東急ハンズ川崎店

アクリルテープ15mm幅
購入先:ユザワヤ蒲田店

ラダーロック

ラダーロック15mm幅×4箇所
購入先:ユザワヤ蒲田店

以上です。
厚みはビブラムシート7mm + ウェット5mm + ゴム1.5mmの合計13.5mmとなりますね。
実は最初はウェットスーツで作成したのですが、履いているうちにボロボロになってきたので、その上からゴムを張り付けてみました。
ビブラムソール自体はまだまだいけたので、長持ちさせようと。
これまで使っていたウェットスーツは青色で、紐は真田紐と「和」な色合いでしたが、今回紐を黒いアクリルテープにしたことで、ちょっとルナサンダルっぽくなりました(^o^)

ラダーロックの導入

ワラーチは紐がしっかりと締まっており足に密着している分には本当に快適です。
しかしながら、長く履いていると真田紐が柔らかくなり結び目が緩くなることが原因で「ワラーチと足のシンクロ率」が悪くなってくることがあります。
こうなるとその度に紐を締め直して対応するのですが、一度緩くなった紐はその後も緩くなりやすい傾向が見受けられました。
そこで紐を結ばなくても良いようにと「ラダーロック」を導入してみました。
これがなかなか自分の中ではヒットしました。

メリットとしては以下です。

紐の結び目が緩むことが少なくなる

紐の結び目が緩むことが少なくなりました。
それでも柔らかくなった真田紐では走っているうちに緩むことがあります。

結び目を作らないので、結び目のコブがなくなる

「コブ」は何が問題かというと、紐を何周もさせて何回も結び目を作っていると中々の大きさとなり、それが足をグイグイ押して痛むことがありました。
ラダーロックを導入することでそんな悩みからも開放です。

紐を何周もさせて結ぶ必要がないので、必要な紐の長さがとても短くなった

片足で長さ1mもあれば十分となりました。

アクリルテープの導入

ワラーチの紐はこれまでずっと真田紐を使ってきました。
しかし、以下の理由により代替品を探していました。
・購入出来る場所が限られる
・高価(1m300円程度)
・3ヶ月くらいでダメになってしまう
ダメになってしまうというのは、切れそうになったり、フニャフニャになってしまったり、汚れが酷くなったりということです。

ルナサンダルを参考

そこで製品版ワラーチの大御所とも言えるルナサンダルを参考にしてみました。
ルナサンダルにはナイロン素材で幅広の黒いテープが使われており、それに近いものはないかと近所のユザワヤへ行きました。
そして見つけたのがアクリルテープといわれるものでした。
これはカバンやザックの紐に使われているテープだと思います。頑丈そうだし、何より安い!(1m80円程度)
懸念点としては素材が固いので足への擦れが気になるところ。
まぁ安かったので2足分(2m)購入してみました。

試走

早速、18kmほどいつもの多摩川をラン。
ほぼ問題なく走れました。しかし、鼻緒はやはり擦れる感覚があり、この先いつかは血豆が出来そうな感覚・・・。
そこで鼻緒部分に厚み1mmのプレーンゴムを巻いてみることにしました。
プレーンゴムは鼻緒に巻きつけてG-17ボンドで固定です。


プレーンゴムを巻きつけた状態(写真では鼻緒部分の片側だけ)

よし、鼻緒対策もばっちり!
ということで、休日に多摩川を45kmほどラン。
しかし10kmほど走ったところで明らかに鼻緒部分に擦れる感覚と豆が出来ている感覚。
その日はそのまま突っ切りましたが、終わって足を見てみると見事に血豆。

この辺りはまだ試行錯誤の部分なのですが、今回の血豆の原因は、巻いたゴムが厚みを増し、指にグイグイ当たったことが原因なのでは?と思っています。
ちなみにルナサンダルは鼻緒部分には特になにも対策がなされていないようですね(旧バージョンにはされているものもあったみたいだが)。
知人のルナを見させてもらうと、鼻緒部分の紐は良い感じに柔らかくなっており、痛くなることはないそうです。
アクリルテープもほぐしてやればいいのでしょうか。
この「血豆」後、鼻緒のゴムを外しました。
すると、ゴムを巻きつけていたので、その部分のアクリルテープが折り重なり良い感じに細くなりました。

鼻緒のゴムを外したまま試走。
思いのほか鼻緒は問題なく走れました。
鼻緒部分の厚みが擦れの原因の一つなのかもしれません。
ゴムを巻きつけるにしても極力厚みが出ないようにすると良いかもしれませんね。

(追記)
頑張って鼻緒に巻きつけたゴムですが、現在は全て外しました(^^;)
使っているうちにアクリルテープが少し馴染み、指への当たりが柔らかくなったのか、今は問題なく走れています。
あと、僕の足の親指と中指の間の皮ですが、ちょっと硬くなっていることに最近気が付きました。
何回も傷ついては再生を繰り返したので強くなったのかもしれません。

ワラーチの穴

ワラーチの穴は基本的には大きく3つ。

・鼻緒
・外側
・内側

鼻緒部分には穴を2つ開けています。
地面側に通した紐を、再び足側へ戻しています。
これは地面側で結び目を作ると、走っているときに地面に擦れて切れやすくなるので、その対策です。

足側に戻すといっても結局は紐が外側に出ることになります。
そこで紐が外側に出ている部分のビブラムソールの凸部分をカッターで削り、紐が極力地面にすれないようにしました。

また、当初、穴は丸い穴あけポンチで開けていたのですが、そうすると幅広の紐を通した際、紐が穴の部分でクシャクシャになってしまい、強度的にも問題があるように思えました。
ルナサンダルの穴を見てみると、丁度紐の形に合った細い長方形の穴が開いていることがわかりました。
帰って早速、ワラーチの丸い穴に対して、ナイフで切れ目を入れ、紐の形が崩れないように施しました。
これで紐がクシャクシャになることはなくなりました。

山でのワラーチ

僕はトレイルランナーなので山でもワラーチを履いています。
但し、山で使う場合には、紐のトラブルなどに対応すべく、ザックの中になんかしらの予備を入れるようにしています(VFFを予備で持つなど)。

ワラーチで山を走る印象としては、「登りは楽、下りはちょっと恐る恐る」そんな感じです。
登りはワラーチ自重が軽いからか、ソールが曲ってくれるからか、楽に感じます。
元気な時は踵をつけずに淡々と登りを走ります。

下りは2点ほどの理由でスピードを出しにくい感覚です。
この辺りは個人の走り方で変わってくると思いますので、あくまで参考として・・・。

1.急スピードを出していてる際に紐にかかる負担が大きく、また鼻緒への食い込みもより出てくる感じがあります。
あと、テクニカルな下り(横にも移動)が必要とされる路面では、ワラーチは今の紐の位置だと横にずれる時に足を完全にサポート出来ずに、大げさに言えば足だけ横に抜ける感覚があります。
これは紐の位置を変えれば良いのかもしれません。

2.路面の状況によってはゴロゴロした石が転がっているところなどあります。
そうしたところで岩を舐めるように下るとたまに踵が岩にぶつかることがあります。これが痛くて恐る恐るなってしまいます。
あとは鋭利な岩が多いと、そこに全体重を乗せて着地すると痛いです。
そこで、踏まないように丁寧に下る必要が出てくるので、結果、スピードが落ちます。

上記の理由から、ワラーチでは下りで100%のスピードを出せないと思っています。
しかし、ものは考えよう。
トレイルランでは下りが全てではありません。登りも平地も下りもあってトレイルランです。
下りでスピード出せない分、登りで稼げばいいだけの話です。

ワラーチでレース

ワラーチでレース参戦もいくつかやりました。

2014年 伊豆大島ロゲインニング

これはロゲなのでタイムレースではないのですが、伊豆大島のロードを6時間、約30kmほど走りました。
ポイントを探しながらゆっくりペースだったので、特に最後まで問題なく走りきれました。

2014年 富士山マラソン

久しぶりのフルマラソンにワラーチで挑戦しました。
結果は3時間14分とそれまでのPB4時間8分を大きく更新!

この時はまだラダーロックではなく、真田紐を何周かさせて結んでいました。
出だしは好調、10kmくらいまでは体が軽く、全くもって問題ありませんでした。
案の定というか、途中から緩くなってきて締めなおすという作業が必要に・・。
経験から真田紐は水に濡らすと固くなり締りが良くなるのを知っていたので、エイド毎に水を足にかけ真田紐を湿らせていきました。
30kmを過ぎたあたりからペースが落ちました。
富士山マラソンでは河口湖と西湖を行き来するのですが、西湖に向かう際、結構な登り道があり、そこでペースが崩れてしまいました。
とはいえ最後まで紐が切れることもなく、膝が痛むこともなく(ここが大きい!)、無事に完走したのでした。
初めてでした。フルマラソンを膝が痛くなることなく走りきれたのは。
しかしながら右足の側面に大きな痛み。何でしょう。足底筋膜炎でしょか。
このレースのちょっと前に結び目のコブにグイグイ押されて痛んでた部分が悪化した感じもあります。
うーん、無傷でのフルマラソン完走は遠いですね。

2015年 ハセツネ30K

ちゃんとしたトレイルレースでは初ワラーチ。
その前だとUTKKとか信越五岳のペーサーでワラーチ履いてました。
信越五岳は悪天で地面がドロ。
そのドロが足とワラーチの間に入り込み踏ん張りがきかなくなり、夜の山道を裸足で走ることになりました。素敵な思い出です。
さて、今回のハセツネ30Kはそんなドロに悩まされることもなく無事完走。3時間31分くらいです。
しかし、急な下りが続く場面では紐への負担が大きくなるためか、どんどん締りが緩くなる感じがあり、下った後、締め直すということを何回かしました。
この時は真田紐だったので、現在のアクリルテープだと緩みが軽減されることを期待。

2015年 多摩川源流ぐるり

2015年6月に行われた「多摩川源流ぐるり」にはワラーチで参戦しました。
約65km、累積標高は4000m以上のレースです。
ストック&ワラーチというスタイルだったので、序盤の登りはとても楽に感じました。
しかし、レース中の雨もあって倉掛山、大菩薩あたりの泥で苦戦。
大菩薩ではさらにゴロゴロした岩が多く、なかなか痛くてスピードが出ず。
泥とゴロゴロ岩、ワラーチの敵に悩まされました。
しかしながら、その他のパートでは快走。最後の下りで濡れた足とワラーチが滑って鼻緒部分に負担がかかって傷を残しましたが完走。

ワラーチ走行データ

2013年5月にワラーチを履き出してから現在で約2年。
どれくらい走ったかのデータです。

距離

1代目:1011km
2代目:1074km
最長:46km(多摩川)

回数

1代目:87回(山:13回)
2代目:91回(山:11回)

なんてことのないデータですが、ワラーチで2000km以上走っていることになり、生涯で一番履いている靴になりました。
1回の平均は11kmくらいです。
山でも計24回ほど走っていますが、大きな怪我はしていないです。たまに岩に指先などぶつけて血が出ますが・・。
最長でも46kmというのが少し残念・・。
将来的には100km以上のトレイルを走ってみたいですね。
次の機会は2015年7月の上州武尊山ウルトラですが、こちらは「ヒル」が出るというのでアルトラで走る予定・・。

さいごに

僕がワラーチを選んだ理由は、靴下を履かなくて良い開放感というのが大きく、その次にフォーム改善による膝痛軽減。
今のところどちらも上手くいっているように感じます。
あとワラーチは軽いので旅先に持っていくのが容易。ワラーチさえあればとりあえず走れます。
それからワラーチで走っていることによる出会いも多く。
これからもワラーチ生活を楽しんで生きたいと思います。

ワラーチ リンク

1作目 : ビブラム8338+ウェットスーツ+真田紐
2作目 : ビブラム8338+ウェットスーツ+真田紐 → ウェットスーツ+ネオセル+ナイロンテープ+ラダーロック
3作目 : ビブラム8338+スポンジ+ネオセル+アクリルテー+プラダーロック
4作目 : ビブラム8338+ブロックゴム+ナイロンテープ+ラダーロック
5作目 : ビブラム8327+ノンスリップシート+ナイロンテープ+ラダーロック
6作目 : ビブラム8338+スポンジ+レザー+ナイロンテープ+ラダーロック